29日放送、TBS「ひるおび!」に、サッカー解説者の水沼貴史氏や前園真聖氏が出演。ロシアW杯で決勝トーナメント進出を果たした日本代表の賛否を呼んだ戦い方に言及した。

西野朗監督率いる日本は28日、ポーランドとのグループステージ最終戦に臨み、0-1と試合で敗れたものの、勝ち点や得失点差、総得点で並んだセネガルに「フェアプレーポイント」で上回り、2大会ぶり3度目のベスト16進出を決めた。

だが、1点ビハインドの中で、10分以上にわたり攻撃せずに自陣でパスを回し、コロンビアがセネガルを1-0で下す他力にかけた西野監督の作戦は、世界中で物議を醸している。

前園氏は「なかなか勇気がいること」「本当に短い数分の間に決断してチームに浸透させた、それなかなかできないですよね」と、賭けに出た西野監督を称賛した。

一方、「間違っていない」選択だったという水沼氏は、「これを日本がやったっていうのが、時代が変わったような気がする」とコメント。

水沼氏は複雑な感情があったとしつつ、「上に進むためにこういうことを選択できるようになったっていうのは、本当に日本サッカー変わったなっていう。それを日本人監督がやったというのが…」と、感慨深げに語った。

また、西野監督の下で臨んだ1996年のアトランタ五輪で、2勝しながらグループステージ敗退に終わった経験を持つ前園氏は、指揮官の頭にもその経験が残っていたはずと指摘。「良い戦いをしようが、結果的に上に上がらなかったら意味がない」という選択だったのではないかと述べた。

さらに、水沼氏は西野監督から「選手たちを成長させたいという想い」を感じるとコメント。「チームとか個人に、上のステージで戦わせる、それこそが選手たちの成長につながる、日本のサッカーにつながる、たぶんそこまで考えていらっしゃる」との見解を示す。

また、監督は繊細過ぎてもダメであり、開き直るような鈍感力が必要だという水沼氏は、西野監督にその力が備わっているのではないかと称賛した。

いずれにしても、日本はグループステージ突破という目標を達成した。前園氏はそれが“勝利”だとし「気温35度以上という過酷な条件下でベストなメンバーで戦えた」のではないかとしている。

一方、水沼氏は「代表の目的はあくまで決勝トーナメント進出。結果的に主力選手を休ませ、川島(永嗣)選手の自信も回復させた。日本も変わったなぁ」と、時代の変化を感じたと繰り返した。

決勝トーナメント1回戦で対戦するのは、グループGを首位通過したベルギー。FIFAランキングで3位の強豪だ。厳しい相手と認めつつ、水沼氏は「2-1」で日本の勝利と予想。前園氏は「1-1」のドローと予想し、調子が上がってきた川島のPK戦での活躍で日本が勝つことに期待を寄せた。