一時は「時代遅れ」「過去の人」と酷評された時もあったラニエリ監督だが、レスターでの歴史的偉業(写真)でその力を改めて証明。自身のキャリアに母国代表監督という“勲章”を加えられるか!? (C) Getty Images

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 ワールドカップ出場権を60年ぶりに逃したイタリア代表は、ルイジ・ディ・ビアージョ暫定監督の下、3月にアルゼンチン(現地時間24日)、イングランド(27日)と国際親善試合を戦うことが決まっている。

 だが、ディ・ビアージョがそのまま正式な指揮官に就任するかは未定だ。むしろ、ビッグネームを招聘するとの見方が強い。その候補のひとりが、一昨シーズンにイングランドでレスターを奇跡のプレミアリーグ優勝に導き、現在はフランスのナントで指揮を執るクラウディオ・ラニエリ監督だ。
 
 ラニエリ自身は、母国の代表を率いることへの関心を隠していない。イタリア『スカイ・スポーツ』で、「イタリア人監督なら誰でも、代表チームを率いたいはずだ。連絡があれば、ナントの会長に行かせてくれと頼むよ」と意欲を示す。だが、まだ具体的な話とはなっていないようである。
 
「今も、アントニオ・コンテが退任した時も、コンタクトはなかったけどね」
 
 そのコンテの再任や、ゼニト・サンクトペテルブルクのロベルト・マンチーニ監督にも関心を寄せるイタリア・サッカー連盟は、各指揮官の動向を窺っている。それぞれ、現クラブとの契約が残っているからだ。
 
 だが、少なくともラニエリ監督に関して、イタリアは心配する必要がないようだ。スカイ・スポーツによると、ナントのヴァルデマール・キタ会長は、「現時点では何もない」としつつ、オファーが現実のものとなれば、ラニエリ監督の希望を叶える用意があると明かしている。
 
「高いレベルで戦ってきたキャリアを、おそらくはまたとないチャンスで締め括りたいと望むなら、それは理解できることだ。だから、彼が去る時にクラブが困難に陥らないようにすべく、いかにやっていくかを検討・分析する必要があるだろう」
 
 母国ではユベントス、インテル、ローマ、ナポリ、フィオレンティーナ、プレミアリーグではレスターの他にチェルシー、リーガ・エスパニョーラではバレンシアやアトレティコ・マドリー、そしてリーグ・アンはモナコにナント……ラニエリ監督は、欧州各国の有力クラブを率いてきた。
 
 一方で、代表チームは2014年にギリシャで指揮を執ったのみ。それも、成績不振のため短期間で解任の憂き目に遭っている。国際経験豊かな66歳の老将は、母国の代表チームで指揮を執る名誉に浴することができるだろうか。