「OUR HOUSE」オフィシャルサイトより

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 5月1日に放送されたドラマ『OUR HOUSE』(フジテレビ系)第3話が、平均視聴率4.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)をマークし、放送時間帯の“3週連続全局最低記録”となった。危機的な低視聴率に酷評が相次ぎ、次話以降の視聴率3%台を予想する意見も出ている。

■第3話のテーマは「近親愛」

 現在、3話まで放送が終了した『OUR HOUSE』。第3話は「誰にも言えない…!モテ長男の秘密の恋」と題し、加藤清史郎(14)演じる中学生のモテ男・伴光太郎にスポットを当て、母親と長男の近親愛(マザコン)をめぐるストーリーが展開された。

 そんな光太郎は亡き母親への思いに悩まされる日々のなか、学校の音楽室でピアノ演奏。加藤を慕う女子生徒に囲まれながらショパンのエチュード「別れの曲」を弾き続けるうちに、悲しみが募って女子生徒たちに「ほっといてくれ!」と当たり散らすと、シャーロット・ケイト・フォックス(30)演じるアリスが光太郎を見つめて微笑んでいる(アリスは第3話で学校に2回侵入する)。そして公園に移動し、光太郎がついにアリスへ「パパが嫉妬するほどママと仲が良かった」と母親に特別な感情を抱いていたことを述懐する。

「近親愛は、本作の脚本を手がける野島伸司(53)が93年放送の『高校教師』(TBS系)で扱ったテーマです。そのときは、ヒロインの二宮繭(桜井幸子・42)と父親・二宮耕介(峰岸徹・65歳没)の間に近親愛を匂わせました。今回は母親が亡くなっている設定ですし、かなりソフトな話です。このマザコン問題はその後、山本耕史(39)演じる父親・伴奏太が『お前ずうずうしいんだよ、オレの女だぞ』と光太郎をたしなめて解決、という運びになります。印象的ないい場面なのですが、堀北真希(27)に40通のラブレターを送って、さらに同じ新幹線に指輪をもって乗り込んでプロポーズした山本が口にすると、ちょっと恐怖すら感じさせる凄みがありました」(報道関係者)

 現在、『OUR HOUSE』の全話平均視聴率は4.6%(第1話が4.8%、第2話が5.0%)。ドラマ『HEAT』(フジテレビ系)の全話平均視聴率、4.12%にはまだ及ばないものの、第3話までの数字で比べれば、『HEAT』の4.9%を下回るペースだ。ここから3%台に下降すれば、『HEAT』超えがいよいよ現実味を帯びてくる。

 そんな事情を知ってか知らずか、一部視聴者からは「(前話より)さらにつまらない」「見てるこっちが恥ずかしくなる」と批判の嵐。各演者に対しても批判が少なくなく、「とりあえず話題の役者使えばいいというだけの発想」などと見透かされている。

 チュートリアル徳井義実(41)も、4月30日放送のラジオ番組『キョートリアル!コンニチ的チュートリアル』内で、伴桜子役の芦田愛菜(11)のセリフに違和感を覚えて「そこまで言う意味が分からへん」と言及。リスナーに疑問を投げかけた。

「徳井さんの指摘はごもっともで、芦田さん演じる女子中学生には、『瞬殺で蹴散らす』『潰す』『駆除する』『最悪、自殺』などとキャラ設定の度を過ぎたセリフが目立ちます。世間に問題視されなければ良いですが」(前出・関係者)

 5月8日放送の第4話では、アリスと敵対する桜子が、アリスが作成した伴家の写真を発見。桜子は、アリスと距離を縮める家族を裏切り者呼ばわりし、再びアリスとバトルを繰り広げる。はたして3%台に降下しないだけの内容を披露できるのだろうか……?

文・海保真一(かいほ・しんいち)※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。