東京都心を縦貫するJR東日本の「上野東京ライン」が開業したのは2015年3月14日のこと。
東北線・高崎線は上野、東海道線は東京で折り返していたが、これがお互いに乗り入れるようになった。また常磐線は品川で折り返す。

上野東京ライン 限定エンブレム。写真はイメージです(Kouki Kuriyamaさん撮影、Flickrより)

1日も正常運転だったことがない!?

どちらかというと東北線・高崎線・常磐線の各線住民にとってメリットの大きい今回の開業。一方で、列車の遅延は間違いなく増えている。
列車の行き先が複雑になったため、1つの路線で遅延や事故が起きれば、ダイヤの乱れは広範囲に及ぶ。同じことは東京メトロ副都心線・西武池袋線・東武東上線にも当てはまるが、上野東京ラインの場合、最長距離の普通列車が268.1キロと長く、どうしても回復には時間がかかってしまう。


これは列車の乗り入れとは関係ないのだが、1つの路線に異常が発生すると、周辺の路線を走る列車まで一斉に止める傾向にある。
乗客が手動ドアで勝手に外に出て、はねられたりするのを防ぐためだが、日本の鉄道=定刻運行に動くという神話は、新幹線やつくばエキスプレスのような高規格化された路線を除くと、徐々に崩れつつある。

上野東京ラインが開通してちょうど100日目の6月21日、ツイッターに以下のようなつぶやきが相次いで投稿された。

関係ない時間帯の事故もカウントされている!?

実際のところはどうなのか。6月23日の朝日新聞が報じたところによると、JR東日本が3月末から5月末の平日41日間を対象に朝のラッシュと夕ラッシュで5分以上の遅れを調査したところ、東海道線は32回と前年同期19回の1.7倍に増加。宇都宮線は38回(前年同期28回)、高崎線は34回(同22回)、常磐線は38回(同27回)といずれも10回以上増えていたという。

JRの調査が正しいのなら、開業から100日連続して遅延したという投稿には首をかしげざるを得ない。「実際には遅延しなかった日もある」というツイートもある。

東京駅の上野東京ライン(宇都宮線・高崎線) 上野・宇都宮・高崎方面の平日ダイヤを見ると、最終は23時5分宇都宮行。
また上野駅の同ライン品川・横浜・小田原方面の最終は、22時54分の平塚行。
これら列車が上野〜東京間を通過した後に遅延が起こっても、それを上野東京ラインの遅延に含めるべきか、議論の余地はありそうだ。