元捜査一課刑事の佐々木成三氏が、YouTubeチャンネル「佐々木成三の攻める防犯チャンネル」で「【東京で無差別殺傷を計画】犯人は秋葉原通り魔事件を意識。物価高で生活苦だった…【富山県滑川市】」と題した動画を公開した。動画では、富山県で起きた殺人予備事件を取り上げ、無差別殺傷事件が未然に防がれた背景と、犯罪の兆候を見逃さないことの重要性について解説している。

佐々木氏はまず、富山県で53歳の男性が「殺人予備罪」で逮捕された事件の概要に触れる。容疑者は「無差別殺傷事件を起こせば、自分が射殺されるか死刑になって死ねる」という趣旨の発言をしており、事件を起こす前に警察に身柄を確保された。「殺人予備罪」とは殺人を実行する目的で準備をした段階で成立する犯罪だが、その立証は極めて難しいと佐々木氏は語る。「殺害をする」という思いだけでは適用されず、凶器の準備や犯行場所へ向かうなどの客観的かつ具体的な行動が伴う必要がある。今回、容疑者がナイフを準備し、東京までの片道切符を購入し、所持品を処分した上で、知人に事件を示唆するメッセージを送っていた事実が、実行の危険性が高いと判断される決め手となった。

さらに佐々木氏は、この事件が未然に防がれた大きな要因として、メッセージを受け取った知人の行動を挙げる。報道によると、この情報提供者は秋葉原無差別殺傷事件の元死刑囚を知る人物であり、過去の経験から容疑者の言葉を「冗談ではない」と直感し、迷わず警察に通報した。これを受けた富山県警も、内容の具体性と緊急性の高さから迅速に動き、犯行前日に逮捕へ踏み切ったと佐々木氏は評価している。

また、無差別的犯行に及ぶ人物の共通点として、「強い孤独感」「将来への絶望」「社会への怒り」「死刑になりたい」といった心理状態があると指摘。「本来向けるべき怒りを、関係のない第三者に向けてしまう」ことが最も恐ろしい点だと警鐘を鳴らす。

最後に佐々木氏は、重大事件の前には犯行予告や凶器の準備など、必ず何らかの「前兆」があると断言する。SNSなどを含め、周囲で危険なサインを感じ取った際には、躊躇することなく警察に相談することが、多くの命を救う結果につながると結論付けた。