『凍る草原に絵は溶ける』(天城 光琴) 人はなぜ本を読むのか。人はなぜ絵画や映画、演劇を鑑賞するのか。本作にはこうある。 「人々が生き絵を作るようになったのも、精霊が我々の世界を覗いているように、自分たちも、全く別の世界を覗いてみたいという思いがあったからに違いない」 私たちは自由であっても不自由であっても、幸せであっても不幸であっても、ここではないどこかを夢見る。人間とはそういう生き物だろう