幼いころから父に殴られ、母がこぼす愚痴のはけ口になっていた。理容店を継げと言われて育ったが、父はラブホテルの経営に転身。15歳の少女は反発せず、黙って仕事を手伝った。結婚してからも“いい娘”“いい嫁”だった桜木紫乃は30歳を過ぎたとき、親と距離をとり、小説を書き始める。「家族」を小説に書くことは、「私」を解放する手段でもあった──。【写真】家業のラブホテルを手伝っていた当時15歳の桜木紫乃さん「親を喜