「え、これで終わりかい?」五郎さんが、ストレートな質問をぶつけてきた。わたしの友人に、五郎さんという医者がいる。彼は、幽霊というものを信じていない。彼にとっての幽霊とは、脳が見せるエラーやバグのようなものだという。そのわりに、彼は、怪談を聞くのが好きだ。真夜中の長電話も。時々、わたしは彼に、取材したばかりの怪談を聞かせている。今夜みたいに。ある団地でのことだ。主婦たちが五人で、井戸端会議をしていた