日常という空間の奥まではびこっているありふれた風景やモノ。それらを切り取り、ごちゃ混ぜにして、世界の見方を一変させてしまう。シンガーソングライターの大森靖子さんが書く歌詞はトリッキーなものが多いのだが、そんな力を内包しているように感じる。そんな大森さんと詩人の最果タヒさんによる『かけがえのないマグマ』(毎日新聞出版刊)は、大森さんが語った自身の半生を、最果さんが文章で再構成することで生まれたノンフ