クリストファー・ノーラン監督が手がける映画「インターステラー」は、登場する数式やブラックホールの実際の見え方などができる限り理論物理学者の監修を受けて科学的に計算されているという、SF好きにはたまらないストーリーとなっています。劇中で宇宙空間を飛行するシーンや、ワームホールを通り抜けるシーン、ブラックホールを横切るシーンなどがありますが、そんなインターステラーの世界をブラウザでリアルに体験できるのが「Interactive wormhole & black hole」です。

Interstellar - Interactive wormhole & black hole

http://sirxemic.github.io/Interstellar/

ページにアクセスすると、突如として土星らしき惑星付近の宇宙空間に投げ出されます。記事中では多少のネタバレを含むため、未鑑賞の人や「少しも内容を知りたくない!」という人は注意してください。



操作方法は以下の通り。

・W:前進

・S:後退

・A:左移動

・D:右移動

・R:上昇

・F:下降

・PgUp(上カーソル):上回転

・PgDn(下カーソル):下回転

・Q:左回転

・E:右回転

・左カーソル:左回転

・右カーソル:右回転

・シフトキー:スピードアップ

・スペース:カーソル操作切り替え



解像度はデフォルトで「4×4」に設定されています。PCの能力によってはカックカクになってしまいますが、可能なら最もリアルに宇宙が描画できる「1×1」がオススメ。



するとこのように土星が滑らかに描画され、惑星の輪郭や後ろに見える星の海もキレイになりました。



土星を真上から見たところ。



超接近することも可能で、本当にインターステラーの宇宙空間を漂っているような気分になり、息苦しい感覚さえあります。ちなみに、惑星の引力までは再現されていないので、近づいても引き寄せられることはなく、突撃してもぶつからずに通り抜けるのである意味安心。



土星の近くには「彼ら」が設置したワームホールがあるので、実際に通り抜けてみたムービーは以下から見ることができます。

ブラウザでInterstellarのワームホールを通り抜けてみた - YouTube

土星のリングの脇に、もやもやとした光の輪っかを発見。



近づくと、周囲の空間がゆがんでいます。



意を決してワームホールに近づいていきます。映画ではここを抜けられれば、人類が移住できる可能性がある惑星が存在する別の銀河系に通じているのですが……。



周囲の景色の移り変わりが異常なので、どれくらい速度が出ているのか、どこを飛行しているのか判断できません。



しばらくすると、星の海に飛び出ました。



「これは一体?」と後ろを見てみると、ワームホールがありますが、土星は影も形も見当たりません。何百万光年の距離を一瞬にして超えてしまった、というわけです。



もう少しワームホールから離れて振り返ると、なんとブラックホールを発見。この光の輪に土星のリングのようなものがついた形は、肉眼でブラックホールを見た時に写る形を科学的に再現したもの。



ブラックホールに突撃すれば、5次元の概念を立証できる観測データを得ることができるため、実際にブラックホールに突撃してみた様子は以下のムービーから見ることができます。

ブラウザでInterstellarのブラックホールに突撃するとこうなる - YouTube

遠くに浮かぶブラックホール。光すら抜け出せないため光は中心でねじ曲がっており、真ん中は真っ黒。この光速を超越した境目である事象の地平線付近へ接近することで観測データを得るとともに、スレスレを飛び去ることで宇宙船の推力を得ることができるわけです。



というわけで接近していきます。



間近まで来てしまいました。重力は再現されておらず引き寄せられないので、いっそのこと中に入ってみます。中心部は周囲の星の海と違って真っ黒。



内部に入ると、前進キーを押していても、進んでいるのか止まっているのか分かりません。壊れたのかな?と思っていると……



ぐにゃりと光の輪が見えました。



さらに進むと、加速度的にスピードが増して宇宙空間に飛び出しました。振り返るとブラックホールがあり、恐らく先ほどと同じ銀河系のように見えます。ただし、時間すら引き延ばされるブラックホールに突撃してしまったため、一体何十年たっているかは謎ですが、5次元の情報を手に入れた今となっては、距離など関係ないのかもしれません。