ゴミ屋敷清掃のプロが教える年末大掃除のコツ
いよいよ今年も残りわずかになってきた。年末と言えば大掃除!! ……だけど、仕事や私事が忙しくて、部屋はめちゃくちゃ。ゴミ屋敷状態になっている人も多いのでは?
「部屋をさっぱりと綺麗にしたい!! 掃除の方法を教えて!!」
という声に答えて、ゴミ屋敷清掃専門業者「孫の手」の佐々木久史社長にお話を伺った。
ゴミ屋敷と格闘中の佐々木久史社長
「ゴミ屋敷にはいくつかのパターンがあります。ひたすら生ゴミを貯め続けた部屋は汚くて臭いですが、ゴミを全部捨ててしまえば綺麗になります。逆にひたすら物を集めている人の部屋は、そこまで汚れていなくても、空間が物で埋まっているので作業はとても大変になります。部屋が物でいっぱいの人は、部屋のキャパシティ以上に物を集めてしまう癖があるんですね。自分で思っているほど、部屋には収納スペースがありません」
天井近くまでゴミが積み上がった部屋
なぜかティッシュと割り箸が山になった部屋
押入れや本棚、クローゼットなどに置ける服や本の数を書き出すと、具体的にどれだけの数の物を部屋に置けるのかが分かる。
買い直しがきくものはドンドン捨てようオーバーしているぶんは、売るか捨てるかしないと部屋が散らかってしまうのだが、これが難しい。物を捨てて身軽になる「断捨離」という言葉が流行ったが、断捨離清掃のコツというのはあるのだろうか?
「私たち掃除業者の方から、『あれを捨てましょう、これも捨てましょう』と勝手に物を捨てることはありません。あくまでお客さんが納得して、捨てていただきます。ただ、アドバイスを求められた場合は、『買い直しの効く物』例えば本、DVD、玩具などはある程度整理したらどうでしょうか? と答えます。逆に記念品や、写真などは、捨ててしまっては取り返しがつかないので、今はいらないと思ってもとりあえず保存しておきましょうと助言しています」
たしかにうちにも、何年も積んだまま読んでいない本が何十冊もある。邪魔だけど、なかなか処分できない。最近では自宅まで引取りにきてくれる、古本業者もあるので、一気に処理してしまうのもアリかもしれない。
「あとは3年間1度も使っていない物は、おそらく捨てても大丈夫です。ゴミの山ができているようでしたら、山の下にある物はほとんど捨てても問題ないですね。そもそもゴミの山の下にある服などは、ほとんどがすでに風化してしまって使用に耐えない状態になっています」
トラック一台分の本を溜めこんでいた部屋もあった
女性は、服、食器、靴、化粧品など、男性は、ライター、オマケグッズ、趣味の道具(釣り道具など)などをためこんでしまう傾向にあるようだ。「頻繁に使う物」と「思い入れのある大切な物」以外は思い切って処理してしまってもいいかもしれない。
「ある程度、部屋がゴミで埋もれてしまうと、一人で片付けるのが無理になってしまうんですよ。そうなると後はどんどんゴミ屋敷になっていってしまう。負の連鎖です」
ゴミ屋敷を掃除していると、何度も掃除をしようとした形跡が見つかるそうだ。ゴミ袋を大量に買っていたり、途中まで袋詰めしていたり、なんとか掃除しようとしたのだが、あまりにゴミが多くて途中で嫌になって諦めてしまったのだ。
「たかがゴミ屋敷とあなどるなかれ。ゴミ屋敷に長く住むと精神や肉体にダメージがあります。部屋も壁や床が傷んで、敷金が戻らなくなる可能性か大きいです。中には、思い悩んで自殺を考える人もいます。どうしようもない状態になってしまったら、家族や仲の良い人に相談して手伝ってもらったり、私どものような業者に相談していただくのが良いと思います」
ただしゴミ屋敷清掃業者の中には悪徳企業も少なくないので、企業の評判や料金などをよくよく確認した方が良いそうだ。
この記事をここまで読んだら、ムズムズと部屋の掃除をしたくなってきたのではないだろうか? 掃除の一番コツは、なんと言っても毎日こつこつと片付けること。年内にスッキリ片付けましょう!!
(取材・文/村田らむ)