グルーポンとGNOMEの間に製品名を巡るバトルが勃発
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/2/d/2d6fe_88_cfdff3e415173a5e107b012abf35b87f.jpg)
2014年5月19日、共同購入型クーポンサイトを運営しているGROUPON(グルーポン)は小売店向けにタブレットベースのプラットホーム「Gnome」を発表しました。ただし、ただし、この「Gnome」という名前はLinuxやFedoraなどのデスクトップ環境に採用されている「GNOME」と大文字・小文字の違いはあれど全く同じで、しかもグルーポンが名前を商標登録しようとしたことから製品名を巡って大騒動が起こりました。
http://investor.groupon.com/releasedetail.cfm?releaseid=848707
Help the GNOME Foundation defend the GNOME trademark
http://www.gnome.org/groupon/
GNOME starts campaign to protect its trademarks - GNOME
http://www.gnome.org/news/2014/11/gnome-starts-campaign-to-protect-its-trademarks/
Gnome Foundation and Groupon product names (UPDATED) | - Groupon Engineering Blog
https://engineering.groupon.com/2014/misc/gnome-foundation-and-groupon-product-names/
タブレットベースのプラットフォーム「Gnome」の発表と共にグルーポンは米国特許商標庁にGnomeの商標登録を申請していました。グルーポンが申請していたのはタブレットベースのプラットフォームだけでなく、同サービスに関連するアプリケーションやサービスなど合計28個もの製品に及びます。
![](http://i.gzn.jp/img/2014/11/11/groupon-gnome/new_1_m.png)
グルーポンの動きに憤慨したのが、X Window System上で動作する無料のデスクトップ環境「GNOME」を展開しているThe GNOME Foundationです。GNOMEは1999年に「GNOME 1.0」を公開して以来、半年ごとにアップデートを重ねて、2006年には米国特許商標庁で商標登録を済ませています。The GNOME Foundationはグルーポンに対して違う製品名の採用を要請しましたが、交渉は難航し、ついに商標を守るためのキャンペーンを発足させました。
The GNOME Foundationの管理者の1人であるTobias Mueller氏は「グルーポンがGNOMEを知らなかったということは信じられないことです。GNOMEを守るために決して諦めずに戦い続けたい」とグルーポンに対する声明をリリース内で語りました。ただし、The GNOME Foundationによるとグルーポンの商標登録を阻止するには2014年12月3日までに正式な手続きを完了させる必要があるとのこと。手続きには約8万ドル(約930万円)の費用がかかるため、リリースを通してGnomeの愛用者やオープンソースコミュニティから寄付金を募ったというわけです。
![](http://i.gzn.jp/img/2014/11/11/groupon-gnome/new_2_m.png)
両社の間で壮絶なバトルが繰り広げられていたのですが、グルーポンは2014年11月11日に商標登録の申請を取り下げ、製品に別の名前を選ぶことを明らかにしました。グルーポンのエンジニアリング統括部長のSri Viswanath氏は「グルーポンはオープンソースを愛しており、Groupon githubでいくつかのオープンソースプロジェクトを展開しています。オープンソースコミュニティとよい関係を築くことは、製品名より大事なことです」と語り、一連の騒動に幕が下ろされました。