<日本プロシニア選手権 住友商事・サミットカップ 初日◇9日◇サミットゴルフクラブ(6,878ヤード・パー72)>
 世代交代が叫ばれて久しいゴルフ界。国内女子ツアーではアマチュアの勝みなみの優勝など若手の躍進が著しいし、海の向こうの米国男子ツアーではタイガー・ウッズからローリー・マキロイへ主役の座が移り変わろうとしている。だが、シニアツアーではちょっと様子が違うようで。
「日本プロシニア住友」初日の結果はリーダーボードでチャック!
 この日開幕したシニアメジャー「日本プロシニア選手権 住友商事・サミットカップ」にエントリーしている50歳の選手、いわゆるシニアルーキーは14名を数える。シニアではレギュラーとは異なり、シニア歴が浅ければ浅いほど体力的な面で有利とも言えるが、そうそうたるレジェンド達が居並ぶフィールドにはやはり一筋縄ではいかない“壁”が存在している。
 それはプレーだけでは計れないもの。たとえば、真剣勝負の中にもギャラリーとの会話を楽しんだり、随所に笑顔を見せてラウンドするのもシニアの醍醐味の一つ。「シニアのトークは15本目のクラブ」とは中嶋常幸の言葉だが、プレーで魅せて、ありとあらゆる手でギャラリーを楽しませてシニアプロとして一人前だ。それはメジャーでも変わらない。青木功は1オーバー68位タイと出遅れたが、18番で直ドラを披露して「あーやっちったー!」。ミスにはなったものの、72歳はさすがの役者ぶりを見せつけていた。
 一方、9月23日に50歳の誕生日を迎えた上出裕也は、今大会がシニアデビュー戦。どこを向いても偉大な先輩達ばかりで、「もう頭下げっぱなしですわ」と練習日を冷や汗まじりに過ごして初日のティオフを迎えた。「今日の朝もめちゃめちゃ緊張しました。何をやっていいかわからなかった」。今大会へ向けて石川遼らを指導した、旧知のトレーナー仲田健氏と共に体作りをして万全の状態で乗り込んで4アンダーの7位タイにつけたものの、慣れない雰囲気にホールアウト後もどこか所在なさげだ。
 その頃コースでは、室田淳が難しい状況から絶妙なショットを披露。グリーン上で両手を上げておどけるパフォーマンスを見せてギャラリーから喝さいを浴びていた。この日は上出と同じ50歳の福澤義光が5アンダー2位タイにつけるなど若手の躍進もあったが、レジェンド達はスコアで負けても主役の座は譲らない。ゴルフ界にあってシニアツアーだけは世代交代がまだまだ進みそうになさそうだ。
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