Kinect搭載モデルの発売でXbox Oneの音声操作が拡充

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いよいよ日本でも9月4日に迫った「Xbox One」では、これまでにも増して体感コントローラー「Kinect」を介したボイスコマンドでの操作がプッシュされています。8月27日に日本マイクロソフトで開催されたプレス向けプレビューでも、「アプリ」「Kinect」と並んで紹介されました。

ボイスコマンドによる操作自体は、現行機であるXbox360でも、Kinectを使用して使用できます。もっともXbox360世代ではコマンド数も限定的で、「口で言うよりコントローラで操作した方が早い」ということもあり、それほど普及しませんでした。でもXbox Oneでは機能がより複雑になったことと、次世代Kinectが標準搭載されたモデルが発売されることで、改めてボイスでの操作が注目されているんです。

中でも注目したいのがスナップ機能で、ゲームをプレイしながら画面の右側に、アプリと呼ばれる他のプログラムを表示させられます。つまりゲームに詰まった時などでも、遊びながらブラウザやYoutubeなどのアプリを立ち上げて、攻略サイトや攻略ビデオを参照できるんです。

このとき、いちいちゲームを一時停止し、モードを切り替えてアプリを起動し、検索して・・・などとコントローラを操作するのは、まだるっこしいですよね。そんなときこそボイスコマンドの出番。ゲームプレイに集中しながらアプリを起動できるというわけです。残念ながらリリース時には、検索エンジンのBingによる日本語音声検索は未対応とのことですが、今後のアップデートに期待したいですね。

またXbox Oneでは常にゲームのプレイ動画がキャプチャされており、任意の時点で過去30秒間(設定で変更可能)のプレイ動画を動画ファイルに保存できます。この時の操作も「Xboxクリップ」とKinectに向かって喋るだけ。ゲーム中に両手はコントローラの操作でふさがっているため、ボイスで録画操作を行うのは面白い発想だと感じました。録画した動画ファイルの映像編集機能なども充実しています。

ちなみに認識可能なコマンド数は、ゲームやアプリの起動、ディスクの操作など50種類以上となっています。両手がふさがった状態でも「Xbox ホーム」と言うだけでホーム画面に戻れるのは良いですね。もっともデモでは何度か認識に失敗するシーンも見られました。実演タイムで自分が試したときはスイスイと操作できたんですが・・・。

もっとも、本体発売後も音声データの収集が行なわれ、ファームアップで精度向上が行なわれていくとのことです。担当者曰く、将来的には自分で音声コマンドがカスタマイズできるようになるかも、と話していました。ついでにキャラクターボイスで返事をしてくれたりすると、さらによさげかも。マイクロソフトの公認キャラクター、クラウディア・窓辺さんとのコラボとか・・・ま、妄想はそれくらにしておきましょう。

実際、アプリについてはかなり力が入れられており、日本向けの施策として、DAMのカラオケアプリや、出前館などのアプリも予定されているとのこと。DAMでは次世代Kinectを介して自分が歌っている光景を録画し、専用サーバにアップする「DAM★とも」サービスなども紹介されました。個人的には英会話アプリなどがあれば使ってみたいですね。

最後に行われたのが次世代Kinectのデモ。1080p解像度のカメラと赤外線センサーで人体にある25の関節をセンシングし、その動きをリアルタイムに認識します。手足にかかる荷重やスピードなども検出できるので、スポーツゲームやフィットネスソフトなどに向きそうです。肌の色の変化から心拍数を検出したり、口の動きから表情を検知する機能も備えているので、ここから新しいゲームが登場してくるかもしれません。

もっとも「別にテレビに向かって話しかけたくないし・・・」という声がすぐに聞こえてきそうです。Xbox360でも急速にトーンダウンしちゃいましたしね。ただしホームネットワークの分野では、エアコンや蛍光灯などをボイスで操作する研究が昔から行われています。リモコンって肝心なときに、すぐに見当たらなくなるんですよね。だったらボイスで操作したいという潜在的なニーズはけっこうあるようです。

また、アメリカ人というのは「宇宙大作戦」の時代から、ボイスで何か操作したい国民なんですよ。それこそ日本人が「鉄腕アトム」などの影響で、人型ロボットの開発に魅せられるくらい、たぶんDNAにすり込まれてるんじゃないでしょうかね。しかも開発元は「勝つまでやめない」マイクロソフト。気がついたら身の回りのガジェットをボイスで操作することが当たり前になっている、今はその境界線にいるのかもしれません。
(小野憲史)

ライター小野憲史の動画でレビュー