フェルナンド・トーレスの獲得は本田の起用にどのような影響を与えるか
ミランは8月29日、チェルシーのスペイン代表FWフェルナンド・トーレスを2年間のレンタルで獲得することで合意した。
F・トーレスは昨シーズン、プレミアリーグで29試合・5得点と低調な出来に終わったものの、裏に抜けるスピードとフィニッシュの精度の高さは依然として魅力だ。
リバプールに放出したマリオ・バロテッリの後釜を確保したミランだが、F・トーレスが前線の柱として機能するかどうかは、蓋を開けてみるまで分からない(人気選手だけに、グッズ販売など財政面に貢献するのは間違いないだろうが)。
では、フィリッポ・インザーギ監督は、F・トーレスというCFを加え、基本システムとして採用が濃厚な4-3-3の前線3人をどう組み合わせ、どのように機能させるだろうか。
先のTIMカップでは、右から本田圭佑、ジェレミー・メネーズ、ステファン・エル・シャーラウィと並んだ3トップが機能した。2戦目のサッスオーロ戦での布陣だ。いわゆる「偽のCF」を務めたメネーズが、縦の大きな動きで前線をかき回し、両ウイングやインサイドハーフの良さを引き出した。
このなかで本田は、これまでのように右サイドに張り付くのではなく、メネーズの上下動に合わせてポジションを変えながらうまく前を向き、フィジカルと技術を活かしたドリブル突破や、持ち味である正確かつ絶妙なタイミングと強さのパスを繰り出してチャンスを作り、エル・シャーラウィのゴールをアシストした。
インザーギ監督もこのスタイルに手応えを感じたようで、メディアの多くがラツィオとの開幕戦(8月31日)にはこの3人で前線を構成する4-3-3で臨むだろうと予想する。
ここに加わったのが、いわば生粋のCFであるF・トーレスだ。
TIMカップ前であれば、本田を外して、右にメネーズ、左にエル・シャーラウィ、そして中央にF・トーレスを配した3トップが、ファーストチョイスとして考えられた。しかし、TIMカップで状況は変わった。本田自身が周囲をコントロールする力を発揮したこと、そして裏に抜ける動きを得意とするF・トーレスが加わったことで、むしろチームのなかで最も質の高いパサーのひとりである本田の存在が、ここにきて際立ってきたのだ。
インザーギ監督が言葉通りに本田の重要性を認め、かつF・トーレスをCFで起用しようとするなら、右ウイングに本田を置き、左ウイングはエル・シャーラウィとメネーズの併用というプランが浮上する。
あるいは、本田とF・トーレスのラインを強化するために、トップ下のポジションを設ける、つまり4-3-1-2などのシステムを導入する可能性も考えられるだろう。4-3-3は維持し、本田をインサイドハーフに置くのも、F・トーレスを活かす上では一考かもしれないが、他のMFの守備の負担等を考えると、SBの役割も含め、戦術を見直す必要性が出てくるだけに、さすがに現実的ではないか。
もちろん、F・トーレスのポジションが保証されているわけではなく、メネーズを偽のCFとする「ゼロトップ」をベースに組織の熟成を図る考え方はあるはずだ。その場合、F・トーレスは攻撃に奥行きを生み出すオプションということになる。いずれにしても、ラツィオとの開幕戦は重要な見極めの場となる。
そして、ようやく能力の片鱗を見せた本田は、レギュラーの座を確保できるのか。これまで適応に苦しんできたミランで、ようやく“違い”を見せるチャンスを得たところだが、逆に言えば、決定的な仕事ができなければ、スタメンから名前が消されるのは、今なお周囲からの懐疑的な見方が完全には消えていない「背番号10」だろう。生き残りをかけた戦いは続く。
F・トーレスは昨シーズン、プレミアリーグで29試合・5得点と低調な出来に終わったものの、裏に抜けるスピードとフィニッシュの精度の高さは依然として魅力だ。
リバプールに放出したマリオ・バロテッリの後釜を確保したミランだが、F・トーレスが前線の柱として機能するかどうかは、蓋を開けてみるまで分からない(人気選手だけに、グッズ販売など財政面に貢献するのは間違いないだろうが)。
では、フィリッポ・インザーギ監督は、F・トーレスというCFを加え、基本システムとして採用が濃厚な4-3-3の前線3人をどう組み合わせ、どのように機能させるだろうか。
先のTIMカップでは、右から本田圭佑、ジェレミー・メネーズ、ステファン・エル・シャーラウィと並んだ3トップが機能した。2戦目のサッスオーロ戦での布陣だ。いわゆる「偽のCF」を務めたメネーズが、縦の大きな動きで前線をかき回し、両ウイングやインサイドハーフの良さを引き出した。
このなかで本田は、これまでのように右サイドに張り付くのではなく、メネーズの上下動に合わせてポジションを変えながらうまく前を向き、フィジカルと技術を活かしたドリブル突破や、持ち味である正確かつ絶妙なタイミングと強さのパスを繰り出してチャンスを作り、エル・シャーラウィのゴールをアシストした。
インザーギ監督もこのスタイルに手応えを感じたようで、メディアの多くがラツィオとの開幕戦(8月31日)にはこの3人で前線を構成する4-3-3で臨むだろうと予想する。
ここに加わったのが、いわば生粋のCFであるF・トーレスだ。
TIMカップ前であれば、本田を外して、右にメネーズ、左にエル・シャーラウィ、そして中央にF・トーレスを配した3トップが、ファーストチョイスとして考えられた。しかし、TIMカップで状況は変わった。本田自身が周囲をコントロールする力を発揮したこと、そして裏に抜ける動きを得意とするF・トーレスが加わったことで、むしろチームのなかで最も質の高いパサーのひとりである本田の存在が、ここにきて際立ってきたのだ。
インザーギ監督が言葉通りに本田の重要性を認め、かつF・トーレスをCFで起用しようとするなら、右ウイングに本田を置き、左ウイングはエル・シャーラウィとメネーズの併用というプランが浮上する。
あるいは、本田とF・トーレスのラインを強化するために、トップ下のポジションを設ける、つまり4-3-1-2などのシステムを導入する可能性も考えられるだろう。4-3-3は維持し、本田をインサイドハーフに置くのも、F・トーレスを活かす上では一考かもしれないが、他のMFの守備の負担等を考えると、SBの役割も含め、戦術を見直す必要性が出てくるだけに、さすがに現実的ではないか。
もちろん、F・トーレスのポジションが保証されているわけではなく、メネーズを偽のCFとする「ゼロトップ」をベースに組織の熟成を図る考え方はあるはずだ。その場合、F・トーレスは攻撃に奥行きを生み出すオプションということになる。いずれにしても、ラツィオとの開幕戦は重要な見極めの場となる。
そして、ようやく能力の片鱗を見せた本田は、レギュラーの座を確保できるのか。これまで適応に苦しんできたミランで、ようやく“違い”を見せるチャンスを得たところだが、逆に言えば、決定的な仕事ができなければ、スタメンから名前が消されるのは、今なお周囲からの懐疑的な見方が完全には消えていない「背番号10」だろう。生き残りをかけた戦いは続く。