「“働く男”に還元したい!」という思いから生まれたサービス。

写真拡大 (全7枚)

今までに、コネタで何度か“髪”にまつわる記事を書いてきました。第三者のような立ち位置で振る舞ってはいたものの、本音を言えば戦々恐々。薄くなるんじゃないだろうか? その恐怖とは、いつも背中合わせです。
では、薄くなったと仮定しましょうか。そこからは、ポジティブに行くしかない気がします。だって、世には薄くてカッコいい人はゴマンといるわけで。渡辺謙や竹中直人的ベクトルというか。

そして薄くなると、こんな役得だって受けることもできます。4月10日、赤坂にてオープンした居酒屋「御太助(おたすけ)」では、その名も「ハゲ割」なるサービスを実施しているのです!
では、そのシステムについて。基本的には、団体客へ向けられたサービスのよう。同店2階には6人がけのテーブルがあり、薄毛の人の割合で特典内容が決まってきます。薄毛が1人の場合は500円、2人の時は750円、3人は1,000円、4人は1,500円、5人は1人分無料の金券(当日使用も可能)、6人全員ならば“マル秘サービス”を進呈。……マル秘サービスって、気になるなぁ。
「その日の気分によって決めているんですが、例えば“ハゲメニュー”を無料提供したり、当店による“ハゲ焼酎”の一本プレゼントなどを考えています」(同店・豊田店長)

“ハゲメニュー”とは、同店が考案したオリジナル料理のこと。
「今は5種類の“ハゲメニュー”があるんですが、10種類くらいに増やしていきたいと思っています。髪にいい食材を利用するか、ハゲを型どって見た目でイメージさせる(ゆで卵にのりを貼るなど)か、二つの方向性で考えています」(豊田店長)

あと、これも気になる。「ハゲ割」を実際に活用した人って、今までどのくらいいたのだろうか?
「まだ、数組です。10組も行ってないかな……。店の前を通るときに『ハゲ割』って看板が目立つので、フラッと寄ってくれる方もいらっしゃいます(笑)」(豊田店長)
ちなみに6人全員が「ハゲ」だった団体客は、未だなし。一方、中にはこんなお客さんもいた模様。
「あまり薄く見えない方が、『ハゲ割』を申請してくることもありました。こちらもノリで割り引く時もありますし、全然薄毛じゃなかったら『もうちょっと“ハゲ”んできてください』っていう風にお伝えしています(笑)」(豊田店長)

ところで、なぜこのようなサービスを行うようになった? その、きっかけについて聞いてみました。
「昨年、勤めていた会社を退職し、東北や大島でボランティア活動を行っていました。そこで出会ったいくつかの縁でこのお店をオープンし、東北の食材を使ったメニューなどを提供しています。また、売り上げの一部は東北へ寄付します。ただそれだけだと堅苦しいというか、うたい文句にしてしまうとお客さんとしても入りにくいと思うんですね。そしてある日、2階の窓から通りを見ていたら、やはりサラリーマンが多かったんです。『じゃあ、サラリーマンを応援しよう』というところから、だんだんとくだけていって……」(豊田店長)
「ヅラ割」も候補に上がっていたそうだが、それではお客さんの側も割引を申請しにくい。間を取って、「ハゲ割」と相成った。

要するに、東北と“働く男”に還元する居酒屋なのだ。
「『もっと、薄い方を連れてきます』、『あの人を連れてきたいけど、気にしてるしな……』なんて言うお客様もいらっしゃいます」(豊田店長)

同店に行けば、フランクに「ハゲ」を語ることができそう。何しろ、店内の壁には“ハゲ雑学”が書かれたシートが何枚も貼られているのだから。ではせっかくだから、その中のいくつかをご紹介しましょう。

・ハゲの由来
ハゲは動詞「剥ぐ」の名詞形。浮世物語には、「さのみにはげをしかり給ふな はげをしからぬ本歌の侍るぞかし」とある。
「はげ上がる」は、はげたために生え際が頭の上の方になることから。

・フランシスコ・ザビエルはハゲてたのではなく「トンスラ」という髪型

・うす毛率が高い国
1位:チェコ(42.79%)、2位:スペイン(42.60%)、3位:ドイツ(41.24%)、4位:フランス(39.10%)、5位:イタリア(39.01%)

「ハゲててもすごく明るい方っていらっしゃいますよね。そういう明るい方って、魅力的だと思います」(豊田店長)
自然と、そんなテンションになってしまいそうなお店じゃないですか。
(寺西ジャジューカ)

御太助
住所 東京都港区赤坂3-18-19
TEL 03-3224-0918
営業時間 17:00〜23:30
定休日 日曜、祝日