三次喫煙がもたらす健康被害

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たばこを吸った後の「たばこの臭い」が問題に

喫煙による代表的な健康被害は、まず、たばこを吸った人自身が肺内に吸い込んだ煙の中に含まれているニコチンやタールなどの有害物質によって引き起こされるものがあります。これが、一次喫煙による被害です。

しかし、たばこは、吸う人だけの健康を害するのではありません。たばこを吸っている時には、その煙がゆらゆらと立ち込めているはずです。たばこを吸っている人のまわりにいる人も同じ煙を吸っているのです。例えば、子どもが遊んでいる同じ部屋でお母さんがタバコを吸うと、結果として子どもたちもたばこの煙を吸っていることになります。これが、一般的には「受動喫煙」と言われているもので、「二次喫煙」とも言われています。二次喫煙による健康被害は、やっと広く知られるようになってきました。少なくとも人々が多く集まるような公共の場、病院や駅、役所などの公共の場所では、分煙や禁煙が、ほぼ常識になっているのです。

ただし、これで安心してはいけません。最近、「三次喫煙」と言って、たばこを吸った後の「たばこの臭い」が問題になることがわかってきました。


三次喫煙は、時間が経過している分、より有害な物質に変化

たばこを吸っていない人は、吸っている人がそばに来ると、たばこ臭く感じます。また、たばこを吸っている人の車や部屋には、たばこの臭いが染みついているのに気づくはずです。たばこの煙は、消えて長い時間経った後でも、衣服や髪の毛、壁や天井、車の中ではシートやエアコンのフィルターの表面に、たばこの有害物質が長く付着してなかなか取れません。これが三次喫煙と言われているものです。実は、この三次喫煙は、時間が経過している分、有害な物質が複雑な化学反応を起こして、より有害な物質に変っていることがわかってきています。しかし、人体にどのくらいの影響が出ているのかは、まだ明らかになってはいません。

では、今後、どのように対処するのが良いのでしょうか?たばこの煙による一次、二次、三次喫煙すべて、体に良いことは無いと考えて、たばこを吸う人は、周りの人に迷惑をかけていることを良く理解して吸う場所や状況などを注意すした方が良いでしょう。また、「自分はを吸っていないから大丈夫」とたかをくくらず、健康に間接的な悪影響があるということを知っておくことが大切でしょう。


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