藤井学園寒川vs尽誠学園
4打数3安打3打点と大活躍した寒川の渡邉大貴(3年)
エース奪還を狙う下村良摩の好投で寒川がベスト8に進出
ともに甲子園の出場経験がある私立強豪校同士の対決。注目を集めた試合は、藤井学園寒川が序盤から優位に立ち、8回コールドで快勝。2011年以来のベスト8進出を果たした。
藤井学園寒川は2回、二死二塁のケースから7番・佃 勇輝(3年)が中前適時打を放ち1点を先制すると、3回には2番・渡邉 大貴(3年)と5番・村瀬 健斗の左越二塁打などで2点を追加。 4回にもノーヒットでさらに1点を加えると、8回には二死満塁の好機から渡邉 大貴に再び二塁打が飛び出し、走者を一掃。試合を決めた。
守っては背番号10番の右腕・下村 良摩(3年)が、注目のスラッガーが揃う尽誠学園打線を相手に打たせて取る丁寧なピッチングを展開。女房役の赤穂 太亮(2年)も盗塁を2つ阻止するなど、バックの堅い守りにも助けられ、被安打5・与四死球1・奪三振2の8回完封劇を演じた。
尽誠学園は先制されたその裏の2回。二死二、三塁の逆転機を築くもあと1本が出ず、無得点に。下村にわずかの綻びが見えた序盤の立ち上がりを攻略できなかった。
■藤井学園寒川・筒井 晋一朗監督の話 下村がよく投げてくれたのが一番の勝因です。昨秋の大会、(敗れた3回戦の)香川西戦で先発しものの4回を持たず10本も(安打を)打たれ、「お前はもうエースじゃない」と言い放ちました。そうしたら、下村が泣きじゃくって。本人は相当、悔しかったんだと思います。そこから下村がよく頑張ってくれました。人間的にも成長したと思います。 力は下村とそんなに変わりませんが、いまエースは左の高田(篤志/2年)です。下村には「高田からエースを奪ってみろ」と、さらなる奮起を促しています。 今日の試合は下村の意地に賭けました!
■藤井学園寒川・下村 良摩投手の話 この冬は制球力を磨き、ボールが高めに浮かないように取り組んできました。自転車トレーニングのおかげで、下半身も安定したと思います。 (試合を振り返り)2回は少し制球を乱しましたが、全体的に低めに球を集められたのがよかったです。仲間が絶対打ってくれると信じて投げました。
(文=和田 雅幸)