富岡西vs海部
シュートも駆使し最後を締めた富岡西のエース・浮橋 遼太(3年)
3月15日、アグリあなんスタジアムで富岡西はセンバツ直前合宿中の明治神宮大会準優勝校(決勝戦試合記事:2013年11月21日)・日本文理(新潟)と対戦。3回表に先制点を奪ったものの、4回・5回・8回に3点を失い1対9で敗戦。7安打を放った一方で14安打・3本塁打を浴び、実力の差をまざまざと見せ付けられることになった。
ただ、彼らにとってこの大敗はもう1つの効果をもたらした。小川浩監督は語る。
「実は新チーム結成当初の8月10日にも豊川(愛知)と対戦していたんです(結果は2-2・4-10)。それと比較しても高めに浮いたボールを3本塁打された。だから、この試合でも『もっと高低差で勝負しよう』と投手には伝えました」
結果、先発右サイド・藤本 祐人(3年)以下の3投手は4番・森 祐大捕手(3年・主将)、8番・上野 大成投手(2年)に浮いた高めを拾われ3点を失った4回裏を除き無失点。那賀戦での不調からこの日はリリーフに回った最速134キロ右腕エース・浮橋 遼太(3年)も横スライダー、カーブ、フォーク、シュートといった多彩な変化球に依存しすぎず、「キャッチャーミットをめがけて投げた」ストレートを主体に2イニングを1四球のみで封じた。
そしてもう1つ彼らがセンバツ出場校から得たこと。「全力で一生懸命、まずぶつかっていく」投手陣をリードし、打っても2安打4打点と大活躍の7番・吉田 裕一捕手(3年)はその言葉を繰り返した。那賀戦では欠けていたチャレンジする姿勢。それが昨秋正規部員9名でベスト4に進んだ海部撃破につながった。
こうして、2つのセンバツ出場校との練習試合で「点」を「線」に結んだ富岡西。準々決勝での徳島北戦でもこの姿勢が継続できれば、2008年以来4度目の春季徳島大会優勝、そして同年以来2度目の春季四国大会出場も十分視野に入ってくる。
(文=寺下 友徳)