お得まちがいなし! 達人に聞くアウトレットモールの上手な歩き方
通常価格より、安く買えるのが嬉しいアウトレット商品。ここ数年、各地で巨大なアウトレットモールが誕生し、足を伸ばしたことがある人も多いのでは? でも、あまりに広く店の数も多いので、上手に回るのが難しいですよね。そこで、アウトレットモールの達人に、上手なショッピングの仕方を聞いてみました!
今回お話を伺ったのは、観光ジャーナリストの千葉千枝子さん。千葉さん、アウトレットモールを上手に歩く極意を教えてください!
●極意その1:事前にマップを取得すべし!
「ホームページに地図が載っているので、それを事前に取得して周る順番を決めておきましょう」(千葉さん・以下同)
端から周って全部見るなんてナンセンス。お目当てのお店を事前に把握して周る順番を決めるのが賢い歩き方!
●極意その2:歩きやすい靴、両手があくバッグ、着脱しやすい服で行くこと!
「セール期間は本当に混みますから。少しでも荷物を減らして動きやすい格好で行くといいですね。また、試着することも考えて着脱しやすい服装で行くのもお忘れなく」
本気でお買い物をするなら、服装も本気で!
●極意その3:一番初めにお目当てのお店へ直行!
「お店が多いからつい端から順番に見たくなっちゃいますが、全部見てたら疲れちゃうし、ほかのお店で衝動買いして本命のお店にたどり着くまでに予算がなくなったりすることも。まずはお目当てのお店に直行しましょう」
兎にも角にも、目当てのお店に直行することが大事!
●極意その4:丈つめする場合は早めにお店にお願いすべし!
「アウトレットモールには必ずリフォーム専門店が1つは入っているので、裾上げなどが必要な場合はそこへ行って有料で直してもらいましょう。ただし、仕上がり時間は早ければ30分くらいだけど、混んでたりすると2時間なんてこともあるので、気をつけてくださいね」
帰宅時間を逆算して、余裕を持ってリフォーム店に出すようにしましょう。
●極意その5:買うか迷ったら「お取り置き」!
「もしも、買おうかどうか迷ったら、店員さんに『1、2時間くらいお取り置きしてもらえませんか?』と聞いてみましょう。結構応じてくれますよ」
また、「『◯時までに戻らなければ、店頭に戻してください』あらかじめ頼むのも◎」とのこと。やっぱり欲しい! と思ったときにすでにほかの人に買われてしまっていたらショックですよね。そのためにも、お取り置きにするのが正解です。
●極意その6:フードコートは昼時を避けるべし! 駐車場付近のカフェなどを利用しよう
「フードコートは大抵モールの中央か、四隅の角にあります。待ち合わせ場所としてわかりやすいですね。ただし、お昼時はものすごく混むので、避けるのがベター。実は駐車場付近には必ずカフェなどの飲食店があるので、そこを利用するのもいいです」
昼時のフードコートは鬼のように混んでいるので、場所を取るのも一苦労。その場合はいっそのことゲート近くのカフェなどに行きましょう。
●極意その7:アウトレット企画品が狙い目!
「アウトレットモールに並ぶのは、直営店・百貨店などの売れ残り品のほか、アウトレットに流通させるために専用でつくられた企画品というのがあります。オーソドックスなセーター、生地裁断のときの端切れをつかった製品(スカートやブラジャーなど)は、安くてサイズも豊富で、狙い目ですよ」
ロゴマークなどの刻印がないブランド物のカップ&ソーサーなども企画品なんだそう。正規品と同じファクトリーで作られていて、素材などもきちんとしているなら、安いほうを選んだほうがお得ですよね。とはいえ、素人目にはわからないので、店員さんに聞いてみましょう。
●極意その8:食料などの消耗品はまとめ買いするとお得!
「最近では食料品のアウトレットのお店も増えているんです。コーヒーやお茶を扱ったお店が多いですね。主に消費期限が迫ったものなどですが、家庭で楽しむ分には十分なので心配ないですよ」
ほかにもデパートで売られている進物用のゼリーなどがあることも。普段自分では買わないような高級お菓子を安く買えるのはいいですよね。
ちなみに、今一番オススメのアウトレットモールはどこなのでしょうか?
「酒々井プレミアム・アウトレットが最新でオススメです。成田空港に近く、外貨両替所があります。行列のできる店も多いので、早めの時間か夕方に行くのがいいですね」
ただし、夕方になると売り切れになってしまう店もあるので注意が必要とのこと。筆者も行ったことがありますが、ゴディバが長蛇の列だったため諦めた記憶があります......。では、それぞれのアウトレットにはどのような特徴があるのでしょうか?
「三菱系vs三井系の二大勢力に分かれています。三菱系は、米国サイモン・プロパティの合弁だけに、アウトレット先進国・米国のノウハウをもって日本に上陸しました。特徴は、観光立地であることや、借景(御殿場の富士山やあみの大仏)を用いている点。米国の成功ハウツーが活かされています。一方、三井系は今後、住宅地としても価値が高まる場所に立地しています。入間や木更津などがその代表例です。多摩南大沢など、地元民にも愛される場所柄であるのが、特徴ですね」
三菱、三井でそんな違いがあったとは知りませんでした! そのほか、頑張っているのが西武系だそう。
「軽井沢、那須は、日本を代表する別荘地。地方でありながら可処分所得が高い人が多く、観光立地でもあります。さらに、高級ブランドのリーシング※が、西武商事の実績、力をもって高いので、ショッピングの側面でも楽しめます」
旅行のついでに、地方のアウトレットモールを開拓するのも楽しそう。そして、アウトレットモールに行った暁には、ここでご紹介した極意をぜひ試してみてくださいね。
文●中村未来(清談社)
※不動産物件に対するテナント付け
千葉千枝子さんプロフィール
観光ジャーナリスト、作家、会社経営、大学講師。著書に「観光ビジネスの新潮流―急成長する市場を狙え」「JTB 旅をみがく現場力」などがある。
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