上司に「賀正」はNG!今さら聞けない年賀状マナー
「寿」「賀」「賀正」「迎春」は目上の人への年賀状には不向き
良好な人間関係を維持するための年賀状。しかし、意外な間違いをしてしまっていることも少なくありません。今回は、年賀状の基礎知識とマナーについてふれてみます。
まず、年賀状の冒頭に使用する祝いの語句を「賀詞」と呼びます。漢字で一文字、二文字、三文字、四文字、さらに文章などがありますが、大きめの文字を使用し、それぞれの意味を考慮して使い方に注意してください。例えば、一文字の「寿」「賀」は単に「おめでたい」という意味で、二文字の「賀正」は「正月を祝う」、「迎春」は「春(新年)を迎える」という意味。そして、三文字の「四海春」は「世界に春が来た」という意味だけで、いずれも敬意がありませんので、目上の人への年賀状には不向きです。目上の人には、相手を尊ぶ漢字の「謹」、「うやうやしい」という意味の「恭」などが使用されている「謹賀新年」「恭賀新年」がオススメです。
また、「明けましておめでとうございます」「新春を慶び申しあげます」は相手を選ぶ必要がありません。加えて「新年」と「明けまして」、「元旦」と「1月1日」は同じ意味ですから重複しないようにしてください。
二行から三行くらいの手書きの文章を添え相手への思いを表す
最近は特にパソコンの使用が目立ちますが、できれば二行から三行くらいでも手書きの文章を添えると良いでしょう。日頃の感謝の言葉、相手の健康・健闘・幸福を祈る言葉、今後とも変わらぬ付き合いを願う言葉などを自由に綴ってみてください。その人に相応しい手書きの言葉は、短文でも大きな意味を持ちます。
そして、正月に届くように12月25日までには投函してください。ちなみに、年賀状は松の内までで、それを過ぎたら立春までは「寒中見舞い」、立春を過ぎたら「余寒見舞い」となります。また、私製葉書の場合は切手の下に「年賀」の朱書きを入れ、宛先住所は都道府県から書くようにしましょう。
ネット全盛時代に不合理とも思われる年賀状ですが、手間暇をかけて、あれやこれやと悩みつつ、相手のことを思いながら差し出すことに、年賀状の意義があると考えます。元旦に決められたように年賀状が届くには、郵便局の苦労もさることながら、豊かで平和で、相手を思いやる心があることが前提条件です。「差し出す方」も「受け取る方」も感謝の心を大切にしたいものです。
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