NTTドコモの導入で大手通信会社3社が揃って扱うことになった米・アップル社のスマートフォンiPhone」だが、発売当日こそ東京・銀座のアップルストアに徹夜組を含めた700人以上が列を成したものの、発売直後から在庫がダブつくなど、これまでのようなお祭り騒ぎにはなっていない。一部の専門家や業界関係者は「それも当然」と見ている。日常の使い勝手や性能については、「国産スマホの方が上」と見る専門家は多いのだ。

 まず日常使いで気になるのがバッテリーの持ちだ。都内の家電量販店で売り場の店員に話を聞くと、iPhoneユーザーの不満で最も多いのが「バッテリー持ちの悪さ」だと言う。アップル社の公式サイトによると「iPhone5c」の連続待受時間は最大約250時間とされているが、通話だけでなくネットや動画の閲覧を頻繁に行なう最近のユーザーにはこれが物足りなく感じる。

「使い方にもよりますが、ネットを見て、動画を見て、電話するといった一般的な使い方をすると、iPhoneなら1日は持つけど2日目はつらいというイメージ。これに対し、最新の日本製端末では同じような使い方でも3日間使えると謳う大容量バッテリーを搭載した機種が続々と登場しています。

 中でも3000mAh(ミリアンペア時)のバッテリーを搭載したシャープ『AQUOS PHONE』の『SERIE』(au)は最大約720時間(3Gエリア)の連続待受時間を誇ります。ドコモ向けの『ZETA』(同700時間)とともに、画面表示の書き換え頻度を減らすことで省電力を可能にしたIGZO液晶を搭載しており、アンドロイド端末の不満を一気に解消しました」(スマホに詳しいジャーナリスト・石川温氏)

 大容量バッテリーでは富士通『ARROWS』も引けをとらない、と指摘するのが携帯電話ライターの佐野正弘氏だ。

「3200mAhのバッテリーを搭載したドコモ向けの『ARROWS NX』には明るさを保ちつつバックライトを省電力化する『White Magic』ディスプレイが用いられ、バッテリーの持ちを飛躍的に向上させています」

 また、スマホの肝であるネット利用時の「サクサク感」について両氏は「通信環境により異なるので単純比較できない」としながらも、「スペック的にはiPhoneの通信速度が下り最大100Mbsなのに対し、国産アンドロイド携帯の最新機種は、エリアは限られますが最大150Mbsとなっている」(佐野氏)。

 国産スマホの技術力が海外勢を特に圧倒しているのがカメラの性能である。

「iPhone 5sは800万画素ですが、ソニーの『Xperia Z1』(ドコモ・au)は2070万画素というかつてない画素数を誇ります。明るくブレが少ない上に、画素数に余裕を持たせたことでデジタルズームでも画質の粗さが目立たなくなった。同社製のデジカメ『サイバーショット』の画像処理技術を導入しており、全社挙げて技術を集積した賜物と言えるでしょう」(前出・石川氏)

  実はiPhoneには国産スマホでは当たり前となっている「おサイフケータイ」機能が未だ搭載されていない。コンビニ、電車、タクシー、さらに飲食店まで電子マネーが主流になりつつある日本の利用者にとっては不便に映る。

 日常使いでは「防水」機能も気になるところだ。

「iPhoneやサムスンの『GALAXY』をはじめ海外メーカーのスマホは防水機能がないものがほとんどで、洗面台に置いてちょっと水がかかっただけで壊れる事例もあります。国産スマホは多くが防水機能を備え、実際に浴室で使うユーザーも多いが、トラブルはほとんどない」(大手量販店販売員)

 サムスンが今夏発売した日本未発売のグローバルモデル『GALAXY S4 Active』には同社初の防水機能が搭載されたが、「水没後にボタンが機能しなくなった」などの不具合も報告されている(サムスン電子は本誌取材に、「IP67の基準でGALAXY S4 Activeをテストし、開発しました。仮に水没による不具合がある場合には、できる限り早く新品と交換するよう対処いたします」と回答)。

 いずれ良くなる可能性はあるが、こうした分野はスペックでは測れない技術の蓄積が重要とされる。「韓国メーカーなどは日本のエンジニアを引き抜くことで技術を得ている構図があり、やはり日本メーカーには一日の長がある」(前出・佐野氏)というのも頷ける話だ。  

※SAPIO2013年12月号