荒川静香(2008年7月/写真:Tsutomu KISHIMOTO)

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2006年のトリノ五輪女子フィギュアスケートでは、アジア選手として初の金メダルを獲得した荒川静香。その代名詞は同年の流行語大賞にも選ばれた「イナバウアー」だろう。しかし、この「イナバウアー」にはある誤解がある。フジテレビ「有吉弘行のダレトク!?」(12日放送)では「イナバウアーは上半身を反らせるはデマ」と題し、その真相を伝えている。

番組にコメントしたのは、荒川の元コーチでもある佐野稔さんだ。「これはイナ・バウアーさんという名前なんですね。ドイツにいらっしゃった方でイナ・バウアーさんが初めてやった技」と切り出すと、「イナバウアーがどういうものかと言うと、上半身関係なく下半身の足技。(体を反るのは)関係ありません。反ってもいいんですけど下半身の問題ですから」と説明を続けた。

荒川が行う“イナバウアー”については、「上半身を反らすのはレイバック」と答えた佐野さん。曰く、イナバウアーはそれほど難易度が高い技ではなく、高得点を狙うためにレイバックをプラスする選手が多いのだという。

また、番組が荒川本人を直撃すると、荒川は「私がやっている反るイナバウアーところの“反る”部分がイナバウアーだと思われている方が多いってことですよね? イナバウアーって言われた時点でそうかなと思いました」と苦笑い。

番組スタッフが「日本中が誤解していることに関して、率直に荒川さんはどのように思われていますか?」と尋ねると、「しょうがないんじゃないかと。でも、そこで私の言い分としては違う名前を付けてくれたら済んだんですけど、解説する方が“イナバウアー”って言い続けたのも原因だと思いますね。私は言ってないですもん。イナバウアーですって(競技前に)申告して入れたわけじゃないから」とキッパリ。

スタッフから「説明が足りないんですかね?」と食い下がられると、「それはメディアのせいだと思いますよ。その後、プレーリードッグが上を向いたらイナバウアーって言ったりとか、アザラシが上向いたらイナバウアーとか、そういう報道をしたメディアのせいだと思います」とメディアに苦言を呈しつつ、それでも最後は「スイマセン、ものすごい反りました」と視聴者に謝る心優しい荒川であった。