東陵が15年ぶりの決勝進出

 1点を争う白熱したゲームは、東陵が5対4で柴田を下して逃げ切った。 柴田・及川大輝、東陵・佐藤洸雅の先発で始まった試合。互いに三塁まで走者を進めながらも得点には至らず、一歩も譲らないまま4回まで0対0だった。

 5回表、柴田はこの回、先頭の7番・庄司倖太朗がライト前ヒットで出塁する。8番・中野大成が犠打を決めて一死二塁。9番・及川が四球で歩き、1番・小田将伍の打席の4球目で重盗を仕掛けたが、二走・庄司が三塁でタッチアウト。 小田はカウント3—2からの6球目が外れて四球。この時、二走・及川が三盗を決めて一、三塁とした。しかし、2番・葛西健斗はレフトフライに倒れて無得点。東陵・佐藤の粘り勝ちとなった。

 その裏、東陵は7番・柴田優祐がショート内野安打で出塁。8番・梅木雅也の犠打で二塁に進め、9番・佐藤はショートゴロに倒れたが、1番・山崎誠悟がセンター前にヒットを放ち、二走・柴田がホームイン。均衡が破れた。

 グラウンド整備を挟んで6回表、柴田が反撃に出る。3番・佐藤 弘基がショート内野安打で出塁するも、4番・宗片直輝がピッチャーゴロに倒れてゲッツー。 二死となったが、5番・松崎賢太が四球で歩くと、6番・佐藤優悟の打席で東陵・佐藤は一塁へ2度、牽制。その後、2球続けてボールとなり、なかなかストライクが入らない1年生にショートの2年生・工藤翔が声をマウンドで声をかける。

 しかし、連続で四球を与えて二死一、二塁。ここで、前の打席でライト前にヒットを放っている7番・庄司。 ここでも、ライト前にヒットを放ち、二走・松崎が同点のホームイン。さらに8番・中野がセンター前に逆転タイムリー。柴田が試合をひっくり返した。

 しかし、その裏、東陵が4点を挙げて再びリードした。4番・小林壱聖がセンター前にヒットを放ち、無死から出塁し、5番・伊東拓人への2球目で盗塁を試みると、キャッチャーの送球が逸れてセーフ。伊東拓はピッチャー前にバントすると、柴田のピッチャー・及川が三塁に送球。 しかし、三塁はセーフとなり、無死一、三塁。6番・白石雅嗣がライト前にタイムリーを放って同点に追いついた東陵。7番・柴田はセカンドゴロを打つと、柴田のセカンド・葛西と一走・白石が一、二塁間で激突。結果、守備妨害で三塁走者のホームインは認められず、一死一、三塁で試合が再開された。

 柴田バッテリーはスクイズを警戒して8番・梅木への初球を外したが、2球目でバント。ファーストがホームに送球するもボールがこぼれてセーフ。 柴田・及川は踏ん張りを見せて、9番・佐藤を空振り三振に抑えたが、1番・山崎にセンターへ大きなフライを打たれ、柴田のセンター・松崎がグラブの先にボールを当てたように見えたが、打球は抜けていき、2人が還った。東陵はこの回に計4点を奪って逆転に成功した。

 7回こそ三者凡退に終わった柴田だったが、8回に意地を見せた。一死から5番・松崎がレフトへ二塁打を放つと、6番・佐藤優のセカンドゴロの間に三塁へ。7番・庄司は四球で二死一、三塁から8番・中野の打球は左翼線を破り、2人が生還。1点差に迫った。東陵はここで先発・佐藤から岡本直己に交代。二死二塁だったが、空振り三振で柴田は得点ならず。東陵はピンチを切り抜けた。

 9回表、柴田は一死から2番・葛西がレフト前ヒットを放ったが、3番・佐藤弘がセカンドゴロに倒れ、4—6—3のゲッツーでゲームセット。 東陵は3年ぶりの東北大会出場を決めたのと同時に、15年ぶりの決勝進出だ。柴田は25年ぶりの東北大会出場をかけて利府と3位決定戦を戦うことになった。

(文=高橋 昌江)