横浜商vs神奈川工 Y校復活へ!左腕・亘が3安打完封!
好投する亘(横浜商)
伝統校・Y校(横浜商)の登場だ。春9回、夏7回に甲子園に出場。1983年には春夏甲子園準優勝を経験している。神奈川県の公立校では1990年の横浜商以来、甲子園が遠ざかっている。神奈川の公立で最も歴史と実績がある学校として多くのファンから復活を期待されている。
横浜商といえば、伝統のブルーのユニフォーム。選手たちはしっかりと着こなすので、よりブルーが映える。
横浜商の先発は左サイドの亘 神矢(2年)。また工夫を凝らした左腕である。マウンドの一塁側に立ち、背中をホームへ向けるようにマウンドを立っている。セットポジションから右足を胸の近くまで右足を引き上げる。インステップ気味に踏み込む。ステップしたところから腕を振出すため、緩急のある投球フォーム。
打者からすれば出所が見難いだけではないので、タイミングも取りづらい。緩急があるフォームなので、どのようにタイミングを測ればいいのか分かりにくい。一塁側からインステップ気味から投げるので、左打者からかなり遠く感じるだろう。球速は120キロ台だが、出所の見にくさ。そしてコーナーギリギリにストライクが取れる制球力の良さ。神奈川工の多くの打者が打ちあぐんでいた。
神奈川工の先発は斎藤 優介(2年)。右サイド・斎藤も内外角にストレート、スライダーを投げ分け、うまくタイミングを外す投球を得意とする。その斎藤に対し、2回表、7番阿部の左前安打、8番佐川 晃央(2年)の時にエンドランを敢行。右前安打。三塁送球間に打者走者も二塁へ。無死二、三塁。9番亘の遊ゴロで走者動けずに一死二、三塁。1番小松崎の三ゴロ。三塁手が本塁送球もボールがこぼれ野選となり1点先制する。
亘に負けじと好投した斎藤(神奈川工)
試合は1対0のまま進み、ポイントは8回裏、一死二塁のピンチを迎え、9番庄司の代打・寺嶋を高めの直球で空振り三振に取り、二死一、二塁となって、1番松野 京介(2年)は四球で二死一、二塁となったが、2番星野を三飛に打ち取りピンチを切り抜ける。
横浜商・亘は9回を三者凡退に抑え、3安打完封勝利。活躍できる左腕投手はスピード先行ではなく、制球力、打ちにくいフォーム、コンビネーション、打者のタイミングを外すために追求できる姿勢だと考えている。
亘の投球を見るとどうすれば打者を抑えられるのか、どうすれば打者のタイミングを外すことができるのか。しっかりと追求できている投手であると思う。速球はそれほど速くはないが、彼はその4つが備わった左腕であると思う。名門復活へ、ぜひ強豪校に勝てる投手へ。さらなる追求を期待したい。
(文=河嶋 宗一)