『げんしけん二代目』の先行上映会では、若い声優陣による「サークル活動ってどうなの」「サークルに入ったからリア充になるなんてまやかしです!」などのトークが炸裂。それでもやっぱり「げんしけん」に憧れる。気になる声優変更や第一話の様子をご紹介。

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『げんしけん 二代目』は、声優陣が一新されました。
最初それを聞いた時、正直仰天しました。
ぼくは『げんしけん』という作品に、ちょっとおかしいくらいの並々ならぬ思いを寄せていて、マンガもアニメもそれはもう楽しんでいた一人です。
特に、レトロタイプオタクの斑目が好きで好きで。
きかん気だったけど、部長になるところまで成長した荻上が好きで好きで。
だから、今回の声優チェンジは、ドキッとしました。

6月29日。『げんしけん二代目』の先行上映会が行われました。
初期のメインキャラ・笹原達が卒業し、後輩の荻上が部長になり、新入生が入ってくるところからのスタートです。
コミックでも10巻から「二代目」とタイトルに付いていますが、『げんしけん』のままの通し番号も付いているのが、作者のこだわりでしょう。
作品としては続編ですが、内容は次世代扱いです。

先行上映会では、キャストのうち新入生を演じる4人が登壇しました。
若手と言っていましたが、本当に若い。
特に吉武莉華役の上坂すみれは、現役女子大生です。
波戸賢二郎という女装をする男の子役の山本和臣は、見た目も中性的、声もかわいらしい。
こんな逸材いたんですね……。

トークショーでは、作品のアフレコ現場での話でこんなエピソードが。
第一話で、スーという女の子キャラが、暴走しがちな朽木という先輩男子を捕まえ、懲らしめるシーンがあります。彼女が非常に冷酷な顔になるのですが、それを「スー面冷血」と表現しています。
これは何のネタか? ベテラン声優陣が『キン肉マン』のアシュラマンのネタだと、若手声優に教えてくれたとのこと。
ははあ、声優間でも流行ったネタの世代差があり、それがアフレコ現場で、二代目の彼女・彼らに伝播しているのか。
作品も中の人も、本当に二代目なんだなー。

作品を見ると、確かに全員声が変わっているので、違和感はゼロではないです。
初代は、個性的な役者が今まで多かっただけに。
しかし、今までの作品にできるだけ近づけようとする努力が大いに見られます。
特に荻上千佳役の山本希望の演技は、今まで作り上げられてきたアニメの「荻上千佳」というキャラクターを再現するべく、声のトーン、口調、時々出るなまりなど、ものすごく努力しているのがわかります。

なぜ全員新しくしたのかの理由はわかりません。
ぼくが感じたのは、声優一新に意味はある、ということです。
『げんしけん』初代は2000年代のオタクの物語でした。男性オタクが集まり、コミュニケーションを取るのはちょっと苦手。内向きな、だらだら生活が楽しく、ごたごたもあったけどなんとか幸せになろうとがんばる青春譚です。
『げんしけん 二代目』は、2010年代のオタクの物語です。オタクであることは公言し、好きなものを隠さず話せて、それを受け入れてくれる環境もある。女性BL好きを軸にしながら、女装心理まで描いている。初代と別物です。
ならば、メインになるのはやはり二代目の新入生達です。初代のキャラは、感情移入しすぎず、少し離れてじっくり見守りたい(特に斑目)。

クセの強かった斑目や朽木の声も、新しい形で演じられていて、「これは面白い」というのがぼくの感想です。
新しくキャラを考察した上で、別の切り口から表現しているんです。
ですので第一話は、楽しみにしても大丈夫です。驚いたりするかもしれませんが、「面白い」と思えるはず。

当日は上坂すみれのOPソングライブも行われ、赤のサイリウムが会場に灯りました。
『げんし、女子は、たいようだった』は、桃井はるこの作詞作曲。
とにかく前向き、とにかくハッピー。
作品はこの曲同様、オープンな、明るさに満ちた雰囲気になりそうです。
その上で、やっぱりみんな悩むんだろうなあと考えると、放送が楽しみです。

本放送は最速で7月6日(土)のTOKYOMX。
第一話は、OPの入る瞬間の演出がいいので、是非注目してください。
あとクッチーが気持ち悪いので注目してください。

(たまごまご)