今夜、サッカー日本代表カナダ戦。ニッポン放送サッカーパーソナリティが語る、W杯最終予選の展望1
侍ジャパンの次は、ザックジャパン。いよいよ来週26日(火)、ブラジルW杯出場をかけたアジア最終予選・日本×ヨルダン戦がキックオフとなる。WBC同様、この試合をラジオで独占中継するのがAM1242ニッポン放送だ。先日18日、ニッポン放送がradiko.jp(ラジコ)で放送したWBC準決勝「日本×プエルトリコ」戦のシェアが、平均41.23%、瞬間最高で50%を超える数字を記録したことでニュースにもなっている。「ラジオで聴くスポーツ中継」に目覚めた人も多いハズ。そこで今回は、ニッポン放送煙山光紀アナウンサー・洗川雄司アナウンサー2人のサッカーパーソナリティと、同じくニッポン放送サッカー中継チーフディレクター木之本尚輝氏に、日本代表と今年のJリーグ、そして「ラジオで聴くサッカー中継」の魅力について話を聞きました。
《群雄割拠のJリーグ2013》
── 来週26日のW杯アジア最終予選・ヨルダン戦に先駆け、今夜は国際親善試合・日本×カナダ戦がドーハで行われます。テレビ中継は3年ぶりに地上波中継がなく、NHK-BS1のみ。地上波としてはニッポン放送のみとなります。
木之本 今夜25:00〜ニッポン放送で生中継します。サッカーパーソナリティが洗川アナウンサー、サッカーコメンテーターが金子達仁さんでお届けします。
洗川 それにしても、よくカナダをドーハにまで呼べたなぁと思います。この時期、W杯予選をすでに敗退し、でもそこそこの強豪国で、中東まで来てくれる国っていう条件は、マッチメイクも大変だったと思います。
── 26日のヨルダン戦に勝てば、3大会連続の「世界最速W杯出場」が決定します。しかし今回は、本田選手と長友選手がケガで不在という状況で、改めてJリーグで活躍する選手の奮起が望まれます。2013年のJ1はすでに3節まで終了していますが、今季ここまでの展開はいかがでしょうか?
煙山 僕が思っているのは、上から下まで、こんなに戦力が接近したことは今までなかった、ということです。そういう意味では、横浜・F・マリノスとセレッソ大阪が3連勝、浦和レッズとFC東京が開幕2連勝をしたわけですが、組織力などは全18チーム、大きな差はありません。となると、横浜のマルキーニョス選手や東京の渡邉千真選手のように、点を取れる人間がいるかどうか、になってきます。
── 昨季上位だった、サンフレッチェ広島、ベガルタ仙台、浦和レッズ……この3チームはいかがですか?
煙山 僕はこの3チームと、天皇杯に勝った柏レイソルは結構キツいと思っているんです。ALCがありますからね。選手層を考えると、とくに仙台と広島がキツいだろうと。浦和も、大補強したとは言っていますが、それでもキツいことには変わりない。柏はネルシーニョ監督の手腕で、もしかしたらごまかすかもしれないですが、全体的な差がない中で、負荷がかかっているチームはリーグ戦では不利だろうなぁという気がしています。
── 監督の話が出ましたが、今年は昨シーズンからどのチームも監督に変更がありません。唯一変わった鹿島にしても、元々いたトニーニョ・セレーゾ監督で。
煙山 そうそうそう。だからこそ差が出にくいというか、より熟成が問われると思うんです。鹿島にしても、むしろセレーゾ監督が戻ってきたことがプラスですからね。去年のJリーグに関しては、継続しているチームが強いと思って(手倉森監督が5年目だった)仙台を上位に予想したんですね。
── 実際、わずかさの差で2位、優勝まであと一歩でした。
煙山 でも、今年は「継続」という意味では他のチームと差はないし、監督による差も出にくい。もう、これだけ群雄割拠なリーグも世界的に珍しいんですよ。その中で、僕が今年、優勝候補に挙げたいのが鹿島アントラーズ。そしてダークホースがFC東京です。東京は去年、ケガ人が多く結果が出ませんでしたが、僕はポポヴィッチ監督のサッカーって好きだし、千真も好調。あとは、去年ケガから復帰した米本選手が本調子に戻り、李忠成選手がチームにフィットすれば、去年と違ってACLもないし、要注目です。
洗川 確かに、鹿島の名前はいろんな方から挙がりますね。開幕直前に解説の名良橋さんに話をうかがった時も、「チームOBだから、ということとは関係なく鹿島の名前は挙げておきたい」と言っていました。やっぱり、去年のJ2得点王・ダビィ選手が加入したことで、同じFWの大迫選手もより活躍するんじゃないかと。
煙山 ダビィもわがままな選手って言われていますけど、セレーゾ監督の前だともう直立不動みたいですね。ブラジル代表の伝説の選手だから。いずれにせよ、FWが鍵を握ってくると思います。
《出てこい、ポスト遠藤》
── FWでいうと、昨季終盤からジュビロ磐田・前田選手の「デスゴール」が注目を集め出しましたね。
煙山 今年の開幕戦は、他のメディアも含め、みんな「デスゴール」ばっかり言ってましたね。ニッポン放送の開幕戦中継も、後半はその話題ばかりでした。
── 中継する上では、やはり触れざるを得ない話題ですよね。
煙山 そうですね。盛り上がりましたね。開幕戦は別な試合を中継していたんですが、他会場の磐田戦の途中経過が入ってきた時、磐田の失点がオウンゴールだったんです。解説の金子達仁さんが、前田選手がオウンゴールに絡んでいるのかどうかって気にしていましたね。また、磐田の1点目が山田選手だったんですが、それも金子さん「“田”が見えたから一瞬ドキッとした」って(笑)。前田選手本人にしてみたら妙な注目のされ方で嫌でしょうけど、彼が初得点を決めるまではしばらくこの状態が続くでしょうね。
── Jの若手で注目している選手は誰かいますか?
洗川 僕はやっぱり、セレッソ大阪の柿谷選手の名前はどうしても挙げたいです。ちなみに、解説の金子さんも今季の注目選手として、柿谷選手の名前を挙げていました。一度他チームに出された、というストーリー性も含めて、面白い選手だと思いますね。
煙山 金子さんはずっと前から柿谷選手に注目していますよね。昔から磯貝とか、天才肌な選手が好きなような気がします。それにしてもセレッソは、香川・乾・清武と海外にどんどん出て行くから、若い選手にもどんどんチャンスがまわってくる。
── 柿谷選手は開幕から2試合連続ゴール。幸先がいいですね。
煙山 僕が注目しているのは、柏のボランチ・茨田陽生選手。「能力は高いので、もっと自己主張できればいいのに」と柏担当の記者が言っていました。あとはFC東京の米本選手。彼は2度ケガしているけど、復活したらドラマにもなる。まあでも、最終的にはやっぱり、高橋秀人かなぁ。ザッケローニ監督がやたらと気に入ってるみたいですね。代表を考える意味でも、ボランチとして使ってみてもおもしろいんじゃないかなと思っています。遠藤選手の代わりがいない……という意味で、やっぱり注目選手がボランチばっかりになっちゃいますね。
── 鹿島の柴崎選手も含め、若手にボランチの有望株が増えてきた、という感じですね。
煙山 あ、柴崎選手もいましたね。今、代表が本当に「遠藤頼み」。それゆえ、遠藤選手がいなくなった時のクオリティダウンが激しすぎるので、若手が出てきて欲しいですね。
── 逆に、復活して欲しい選手や、ベテラン勢で注目の選手はいますか?
木之本 憲剛と俊輔ですね。中村憲剛選手に関して言えば、チームタイトルをこれまで取れていないこともあり、川崎フロンターレには個人的に期待しています。中村俊輔選手に関しては、今、横浜・F・マリノスが首位にいるという意味でも注目だし、開幕戦でフリーキックを、2戦目でもコーナーキックを直接決めたりと、だいぶ調子がいいみたいです。横浜が盛り上がることで関東圏のサッカー熱がもっと盛り上がるんじゃないかなと、いう期待も込めて。中村俊輔は相当運動量も増えているみたいで、それこそポランチのポジションをやっても面白いかもしれないですね。
(PART2「日本代表編」へ続く)
【サッカー国際親善試合 日本×カナダ戦】
22日25:00〜 AM1242ニッポン放送でラジオ独占中継
サッカーコメンテーター:金子達仁(スポーツライター)
サッカーパーソナリティ:洗川雄司アナウンサー
(オグマナオト)
《群雄割拠のJリーグ2013》
── 来週26日のW杯アジア最終予選・ヨルダン戦に先駆け、今夜は国際親善試合・日本×カナダ戦がドーハで行われます。テレビ中継は3年ぶりに地上波中継がなく、NHK-BS1のみ。地上波としてはニッポン放送のみとなります。
木之本 今夜25:00〜ニッポン放送で生中継します。サッカーパーソナリティが洗川アナウンサー、サッカーコメンテーターが金子達仁さんでお届けします。
洗川 それにしても、よくカナダをドーハにまで呼べたなぁと思います。この時期、W杯予選をすでに敗退し、でもそこそこの強豪国で、中東まで来てくれる国っていう条件は、マッチメイクも大変だったと思います。
── 26日のヨルダン戦に勝てば、3大会連続の「世界最速W杯出場」が決定します。しかし今回は、本田選手と長友選手がケガで不在という状況で、改めてJリーグで活躍する選手の奮起が望まれます。2013年のJ1はすでに3節まで終了していますが、今季ここまでの展開はいかがでしょうか?
煙山 僕が思っているのは、上から下まで、こんなに戦力が接近したことは今までなかった、ということです。そういう意味では、横浜・F・マリノスとセレッソ大阪が3連勝、浦和レッズとFC東京が開幕2連勝をしたわけですが、組織力などは全18チーム、大きな差はありません。となると、横浜のマルキーニョス選手や東京の渡邉千真選手のように、点を取れる人間がいるかどうか、になってきます。
── 昨季上位だった、サンフレッチェ広島、ベガルタ仙台、浦和レッズ……この3チームはいかがですか?
煙山 僕はこの3チームと、天皇杯に勝った柏レイソルは結構キツいと思っているんです。ALCがありますからね。選手層を考えると、とくに仙台と広島がキツいだろうと。浦和も、大補強したとは言っていますが、それでもキツいことには変わりない。柏はネルシーニョ監督の手腕で、もしかしたらごまかすかもしれないですが、全体的な差がない中で、負荷がかかっているチームはリーグ戦では不利だろうなぁという気がしています。
── 監督の話が出ましたが、今年は昨シーズンからどのチームも監督に変更がありません。唯一変わった鹿島にしても、元々いたトニーニョ・セレーゾ監督で。
煙山 そうそうそう。だからこそ差が出にくいというか、より熟成が問われると思うんです。鹿島にしても、むしろセレーゾ監督が戻ってきたことがプラスですからね。去年のJリーグに関しては、継続しているチームが強いと思って(手倉森監督が5年目だった)仙台を上位に予想したんですね。
── 実際、わずかさの差で2位、優勝まであと一歩でした。
煙山 でも、今年は「継続」という意味では他のチームと差はないし、監督による差も出にくい。もう、これだけ群雄割拠なリーグも世界的に珍しいんですよ。その中で、僕が今年、優勝候補に挙げたいのが鹿島アントラーズ。そしてダークホースがFC東京です。東京は去年、ケガ人が多く結果が出ませんでしたが、僕はポポヴィッチ監督のサッカーって好きだし、千真も好調。あとは、去年ケガから復帰した米本選手が本調子に戻り、李忠成選手がチームにフィットすれば、去年と違ってACLもないし、要注目です。
洗川 確かに、鹿島の名前はいろんな方から挙がりますね。開幕直前に解説の名良橋さんに話をうかがった時も、「チームOBだから、ということとは関係なく鹿島の名前は挙げておきたい」と言っていました。やっぱり、去年のJ2得点王・ダビィ選手が加入したことで、同じFWの大迫選手もより活躍するんじゃないかと。
煙山 ダビィもわがままな選手って言われていますけど、セレーゾ監督の前だともう直立不動みたいですね。ブラジル代表の伝説の選手だから。いずれにせよ、FWが鍵を握ってくると思います。
《出てこい、ポスト遠藤》
── FWでいうと、昨季終盤からジュビロ磐田・前田選手の「デスゴール」が注目を集め出しましたね。
煙山 今年の開幕戦は、他のメディアも含め、みんな「デスゴール」ばっかり言ってましたね。ニッポン放送の開幕戦中継も、後半はその話題ばかりでした。
── 中継する上では、やはり触れざるを得ない話題ですよね。
煙山 そうですね。盛り上がりましたね。開幕戦は別な試合を中継していたんですが、他会場の磐田戦の途中経過が入ってきた時、磐田の失点がオウンゴールだったんです。解説の金子達仁さんが、前田選手がオウンゴールに絡んでいるのかどうかって気にしていましたね。また、磐田の1点目が山田選手だったんですが、それも金子さん「“田”が見えたから一瞬ドキッとした」って(笑)。前田選手本人にしてみたら妙な注目のされ方で嫌でしょうけど、彼が初得点を決めるまではしばらくこの状態が続くでしょうね。
── Jの若手で注目している選手は誰かいますか?
洗川 僕はやっぱり、セレッソ大阪の柿谷選手の名前はどうしても挙げたいです。ちなみに、解説の金子さんも今季の注目選手として、柿谷選手の名前を挙げていました。一度他チームに出された、というストーリー性も含めて、面白い選手だと思いますね。
煙山 金子さんはずっと前から柿谷選手に注目していますよね。昔から磯貝とか、天才肌な選手が好きなような気がします。それにしてもセレッソは、香川・乾・清武と海外にどんどん出て行くから、若い選手にもどんどんチャンスがまわってくる。
── 柿谷選手は開幕から2試合連続ゴール。幸先がいいですね。
煙山 僕が注目しているのは、柏のボランチ・茨田陽生選手。「能力は高いので、もっと自己主張できればいいのに」と柏担当の記者が言っていました。あとはFC東京の米本選手。彼は2度ケガしているけど、復活したらドラマにもなる。まあでも、最終的にはやっぱり、高橋秀人かなぁ。ザッケローニ監督がやたらと気に入ってるみたいですね。代表を考える意味でも、ボランチとして使ってみてもおもしろいんじゃないかなと思っています。遠藤選手の代わりがいない……という意味で、やっぱり注目選手がボランチばっかりになっちゃいますね。
── 鹿島の柴崎選手も含め、若手にボランチの有望株が増えてきた、という感じですね。
煙山 あ、柴崎選手もいましたね。今、代表が本当に「遠藤頼み」。それゆえ、遠藤選手がいなくなった時のクオリティダウンが激しすぎるので、若手が出てきて欲しいですね。
── 逆に、復活して欲しい選手や、ベテラン勢で注目の選手はいますか?
木之本 憲剛と俊輔ですね。中村憲剛選手に関して言えば、チームタイトルをこれまで取れていないこともあり、川崎フロンターレには個人的に期待しています。中村俊輔選手に関しては、今、横浜・F・マリノスが首位にいるという意味でも注目だし、開幕戦でフリーキックを、2戦目でもコーナーキックを直接決めたりと、だいぶ調子がいいみたいです。横浜が盛り上がることで関東圏のサッカー熱がもっと盛り上がるんじゃないかなと、いう期待も込めて。中村俊輔は相当運動量も増えているみたいで、それこそポランチのポジションをやっても面白いかもしれないですね。
(PART2「日本代表編」へ続く)
【サッカー国際親善試合 日本×カナダ戦】
22日25:00〜 AM1242ニッポン放送でラジオ独占中継
サッカーコメンテーター:金子達仁(スポーツライター)
サッカーパーソナリティ:洗川雄司アナウンサー
(オグマナオト)