きゅっ!と絞られたウエストから、ふわっと広がるスカート……少女革命ウテナ、輪るピングドラム原画展
薔薇の門を抜けると、幾原邦彦の世界だった。
西武池袋本店別館2階 西武ギャラリーで、『少女革命ウテナ原画展』が行われている。会期は3/20(水・祝)〜3/25(月)。『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』の展示会だ。
西武ギャラリーでは、これまでに何回かアニメやマンガの展示会が行われている。けれど、今回のウテナ原画展はこれまでに行われたどの展示よりも展示数が多い。ピングドラムが108、ウテナが378。500近くも飾られている。
「ウテナのブルーレイ発売に合わせた企画展なんですが、うまくタイミングが合ってこんな大規模な展示会になった。これでも絞ったほうなんですよ。幾原監督やさいとう先生が持っていたり、キングレコードの倉庫にあったセルの中から、いいものを展示してます!」(池田P)
展示内容をざっくりご紹介しましょう。
【ウテナ】
・オープニング、エンディング、本編原画&セル画
・絵コンテ
・雑誌やパッケージに用いられた版権絵
・当時発売されたグッズや雑誌
・長濱博史や小林プロダクションによる背景設定・コンセプトデザイン資料
・企画資料
【ピングドラム】
・設定資料
・オープニング、エンディング、生存戦略バンク、本編原画
・台本
…などなど。物販には図録や限定グッズが販売されている。
池田Pが言うように、まさに「いいとこどり」。ファンとしてどうしても注目してしまうのは20話「若葉繁れる」、29話「空より淡き瑠璃色の」、最終話「いつか一緒に輝いて」など、大好きな話数の原画・セル画ではあるのだが、西園寺や七実など(ギャグ的な意味で)ハズせないセレクトも。原画に書かれたメモ書きや指定などもしっかり残っている。
企画段階(タイトルが『少女革命ウテナkiss』だったころ)の資料は、入口からすぐのところに。DVD-BOXとBD-BOXの下巻ブックレットにイラストが掲載されているため、存在は知っていたものの、企画書に書いてある「大河エレガンス・アクション」の文言に思わず「なんだそれ!?」と呟く。
デザインが現在の『ウテナ』と同じものになったあとも、いくつかカラーバリエーションが試されている。金髪だったり赤学ランを着たウテナや、白いドレスを着たアンシー。セル画でも試してある。
「『へーすごい、案外残ってるんだね!』って思ってもらえれば。ウテナやピングドラムでこういう大きな展示をやれることはめったにないので、見に行ける人はラッキーですよ」(池田P)
さて、今回の展示はサプライズがある。薔薇の花嫁・姫宮アンシーが着ているドレスの展示だ。製作したのはNaSkaさん。『ピングドラム』のペンギンのぬいぐるみや、チュチュのぬいぐるみも製作・監修している。
「今回作るにあたって、幾原監督からは『くびれは大切だよ!』と(笑)トルソーって人間と違ってやわらかくないから、着せるのが大変でした!」
きゅっ!と絞られたウエスト部分の下から、ふわっと広がるスカート。
「ぴしっとしすぎないために、すその部分は手でかがってます。このドレスを作るためにオープニングを何回も見ましたねー。ここのスカートは円形以上の広がりなので、下から突風が吹けば、オープニングの映像と同じようになびくんですよ」
製作にかかった期間は一ヶ月。生地から色からこだわりぬいている(緑のレースは色がなかったため、わざわざ染めたとのこと)。もちろん袖や冠、眼鏡といった小物も揃えてあって、ドレスの後ろのガラスケースに並べてある。まさに劇中の衣装がそのまま出てきたようで、「ここには生身のアンシーだけがいない…」(cv.子安)という気持ちに。
23日(土)と24日(日)にはトークショーやサイン会も予定されている(幾原監督の新作PV公開も!)。詳細はこちら。
また、杉並アニメーションミュージアムでは「小林七郎展」、世田谷文学館では「帰ってきた寺山修司」展が開催中。4/13〜4/19にはシネクイントで「寺山修司映像詩展」と寺山の映画の一挙上映も行われる(4/18にはJ・A・シーザーと幾原監督のトークショーも)。そちらも合わせてチェックしたいところですぞー!
(青柳美帆子)
西武池袋本店別館2階 西武ギャラリーで、『少女革命ウテナ原画展』が行われている。会期は3/20(水・祝)〜3/25(月)。『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』の展示会だ。
西武ギャラリーでは、これまでに何回かアニメやマンガの展示会が行われている。けれど、今回のウテナ原画展はこれまでに行われたどの展示よりも展示数が多い。ピングドラムが108、ウテナが378。500近くも飾られている。
「ウテナのブルーレイ発売に合わせた企画展なんですが、うまくタイミングが合ってこんな大規模な展示会になった。これでも絞ったほうなんですよ。幾原監督やさいとう先生が持っていたり、キングレコードの倉庫にあったセルの中から、いいものを展示してます!」(池田P)
【ウテナ】
・オープニング、エンディング、本編原画&セル画
・絵コンテ
・雑誌やパッケージに用いられた版権絵
・当時発売されたグッズや雑誌
・長濱博史や小林プロダクションによる背景設定・コンセプトデザイン資料
・企画資料
【ピングドラム】
・設定資料
・オープニング、エンディング、生存戦略バンク、本編原画
・台本
…などなど。物販には図録や限定グッズが販売されている。
池田Pが言うように、まさに「いいとこどり」。ファンとしてどうしても注目してしまうのは20話「若葉繁れる」、29話「空より淡き瑠璃色の」、最終話「いつか一緒に輝いて」など、大好きな話数の原画・セル画ではあるのだが、西園寺や七実など(ギャグ的な意味で)ハズせないセレクトも。原画に書かれたメモ書きや指定などもしっかり残っている。
企画段階(タイトルが『少女革命ウテナkiss』だったころ)の資料は、入口からすぐのところに。DVD-BOXとBD-BOXの下巻ブックレットにイラストが掲載されているため、存在は知っていたものの、企画書に書いてある「大河エレガンス・アクション」の文言に思わず「なんだそれ!?」と呟く。
デザインが現在の『ウテナ』と同じものになったあとも、いくつかカラーバリエーションが試されている。金髪だったり赤学ランを着たウテナや、白いドレスを着たアンシー。セル画でも試してある。
「『へーすごい、案外残ってるんだね!』って思ってもらえれば。ウテナやピングドラムでこういう大きな展示をやれることはめったにないので、見に行ける人はラッキーですよ」(池田P)
さて、今回の展示はサプライズがある。薔薇の花嫁・姫宮アンシーが着ているドレスの展示だ。製作したのはNaSkaさん。『ピングドラム』のペンギンのぬいぐるみや、チュチュのぬいぐるみも製作・監修している。
「今回作るにあたって、幾原監督からは『くびれは大切だよ!』と(笑)トルソーって人間と違ってやわらかくないから、着せるのが大変でした!」
きゅっ!と絞られたウエスト部分の下から、ふわっと広がるスカート。
「ぴしっとしすぎないために、すその部分は手でかがってます。このドレスを作るためにオープニングを何回も見ましたねー。ここのスカートは円形以上の広がりなので、下から突風が吹けば、オープニングの映像と同じようになびくんですよ」
製作にかかった期間は一ヶ月。生地から色からこだわりぬいている(緑のレースは色がなかったため、わざわざ染めたとのこと)。もちろん袖や冠、眼鏡といった小物も揃えてあって、ドレスの後ろのガラスケースに並べてある。まさに劇中の衣装がそのまま出てきたようで、「ここには生身のアンシーだけがいない…」(cv.子安)という気持ちに。
23日(土)と24日(日)にはトークショーやサイン会も予定されている(幾原監督の新作PV公開も!)。詳細はこちら。
また、杉並アニメーションミュージアムでは「小林七郎展」、世田谷文学館では「帰ってきた寺山修司」展が開催中。4/13〜4/19にはシネクイントで「寺山修司映像詩展」と寺山の映画の一挙上映も行われる(4/18にはJ・A・シーザーと幾原監督のトークショーも)。そちらも合わせてチェックしたいところですぞー!
(青柳美帆子)