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 ガラタサライは、2-2以上のスコアによる引き分け、または勝利で次に駒を進めることができる。ファーストレグでは4-4-2のフラットだったが、この試合では4-4-2の菱形で試合に臨んだ。

 シャルケはスコアレスドローか、勝利で次に駒を進めることができる。相手にアウェゴールを許すとめんどくさい計算になるので、単純に勝利を考えたほうがゲームプランは楽かもしれない。ルールダービーでフンテラールが負傷した以外は、ダービーと同じメンバーである。ダービーに勝利した勢いよそのままに!といったところだろう。

 ■ガラタサライの4-3-3

 4-4-2の菱形はそのまま守備を行うには、なかなか困難なシステムになっている。トップ下に配置されたスナイデルがCFの位置に出て、ドログバとユルマズが相手のSBに対応するのが公式とされている。ガラタサライはこの公式を普通に運用して試合に臨んだ。

 ルールダービーで見せたように、シャルケはヘーガーを右サイドの攻撃に組み込むことで、右サイドを支配することを企んだ。この試合のシャルケは右サイドからの攻撃の比重がかなり多く、バストスのいる左サイドからの攻撃はほとんど行われなかった。それだけ、右サイドからの攻撃に自信があったのだろう。

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 シャルケの狙いとしては、ヘーガー、内田、ファルファンのトライアングルで数的優位を作りたかった。しかし、4-3-3で守備をセットするガラタサライにとって、図にように数的優位はなかなか作れなかった。思い出したかのように守備に戻ってくるドログバやスナイデルの存在がシャルケに重くのしかかっていた。

 だったら、サイドチェンジすればいいような気もするが、シャルケの面々は右サイドから攻撃を仕掛けていくのだ!という感じだった。また、ヘーガーが右サイド攻撃に尽力するので、攻撃の流れを変更できそうなのはノイシュテッターである。しかし、ノイシュテッターの周りに、スナイデルがうろちょろしていれば、そうもいかない。

 ■ハミト・アルティントップ

 シャルケは守備を4-4-2でセットする。高い位置から積極的な守備を見せれば、ガラタサライは躊躇なくドログバたちに放り込む。なお、ドログバの空中戦の勝率は以前よりは落ちていると思う。なので、序盤は両者ともに落ち着かない展開であった。

 シャルケの攻撃の狙いを潰すことによって、徐々に守備からガラタサライが流れを掴むようになる。そして、ガラタサライは攻撃でも流れを掴んでいく。ガラタサライの狙いはシャルケの右サイドを支配することで、攻守に圧倒する狙いで試合に臨んできた。

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 内田が狙われたようにも見えたが、それは内田の守備が!というよりも、シャルケの右サイドの攻撃の圧力を減らすためであったろう。相手がバストスサイドから攻撃を仕掛けて来なかったので、中央でプレーしていたハミト・アルティントップは攻撃でもそのまま中央でプレーしていた。

 この何でお前がそこにいるんだというポジショニングが、中央のスナイデルへの守備を分散し、内田サイドからの攻撃を助けていた。なお、ドログバたちは内田サイドに流れることが多かったので、内田は数的不利な状況に陥ることが多く、どうやって守ろうかこれは、、状態であった。

 攻守にガラタサライが流れを掴む中で、先制したのはシャルケ。コーナーキックからこぼれ球を押しこむことに成功する。しかし、試合の大きな流れに影響をあたえることはなく、ハミト・アルティントップのスーペルなミドルが炸裂し、ガラタサライは同点に追いつくことに成功する。

 そして前半の終了間際には、ガラタサライのカウンターが炸裂。ようわからないロングボールに抜け出したのは、ブラク・ユルマズ。ファーストレグでも結果を残したブラク・ユルマズのゴールが決まり、シャルケからすると絶望的なゴールが決まった。

 ■両サイドアタックの復活
 
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 困ったシャルケはもっと両サイドから攻撃を仕掛けよう。サイドチェンジも頻繁に行おう作戦で後半に挑む。左サイドからの攻撃を活性化させるためにフクスを投入。フクスは積極的な攻撃参加で左サイドの攻撃を牽引していた。

 ハミト・アルティントップがサイドでの守備を余儀なくされたこと、サイドチェンジで4-3-3の泣き所を仕掛けることに成功したシャルケ。左サイドからはドラクスラーも絡んでくるので、かなりの脅威を相手に与えることに成功する。そうなれば、サイドチェンジで内田やファルファンの出番も増えていく好循環である。

 ボールを奪えなくなったガラタサライは防戦一方となる。ドログバやブラク・ユルマズが最終ライン付近で守備をするようになり、スナイデルは守備の場面で完全に行方不明となってしまった。なので、中央のスペースも支配できたシャルケが、勢いそのままに同点ゴールを決めることに成功する。

 ホームの声援を背に、勝てばOKなシャルケは、ガラタサライのゴールに迫る。しかし、ここで動くはテリム監督。スナイデル→アムラバトでシステムを4-4-2のフラットに変更。ドログバたちが守備に追われたらカウンターができない→中盤の3枚でサイドチェンジに対応できない問題の解決に図る。なお、アムラバトは縦への推進力があるので、相手の右サイドの攻撃の圧力を弱める狙いもあった。

 また、中央のスペースの支配を妨害するために、ブラク・ユルマズ→ウムト・ブルトで守備固め。こうして、スペースを埋めたガラタサライの前に、シャルケは徐々に決定機を作れなくなっていく。そうなれば、パワープレーだとゴールに迫るが、ロスタイムに逆にカウンターをくらいとどめをさされて終了となった。

 ■独り言

 前半は寝ていたシャルケだが、ガラタサライの守備にはまってしまったがゆえなので、致し方ない。ハーフタイムを挟まないで軌道修正できたら最強なのだが、まだそういう芸当はできないのだろう。ただ、この試合のドラクスラーのパフォーマンスは半端ではなかった。代表でスタメンもいけるではないかというくらいに。

 ガラタサライは後半は防戦一方。守備が機能しなくなり、攻撃も機能しなくなるというお手本のような試合だった。それをシステム変更で相手の流れを阻害したテリム監督はお見事。しかも、アムラバトでカウンターも狙うのだから、お手本のような采配であった。

 そして我らがうっちー。ドログバとのマッチアップ有り、相手が大量に出没したことで、かなりきつかった前半戦。しかも、ハミト・アルティントップのゴラッソに繋がるファウルをとられたうっちー。ただし、何がファウルなのか全然わからなかったので気にする必要はないし、ハミト・アルティントップのゴラッソはちょっと次元が違った。

 後半戦はサイドを駆け上がったり、中央に飛び出して行ったりとかなり積極的。そして、同点ゴールも落ち着いてアシストしている。その後はアムラバトの強襲にあうなど、かなり苦戦の多い試合だったが、チームの主力としてしっかりプレーできていたと思う。