/計画と言うと、シロウトはスケジュール表のようなものを考えるが、そんなオール・グリーンライトなどということを前提とする方が間違っている。想定外の赤信号が出るなら、計画の方に根本的な欠陥がある可能性が高い。ムリなリカバリーは、それこそ致命的な大事故を引き起こす。/


 関西に来て最初に聞いた冗談。青は進め、黄色は気をつけて進め、赤は覚悟して進め。だが、まったく冗談にならない。赤信号になろうものなら、赤信号に、なんでや! と文句を吐きながら、そのまま直進してくる。あきらかに右折矢印が出ているのに、何度、強行突破の直進車で恐い思いをしたことか。

 計画学などというものをやっていると、一般の人とは話が合わない。みんな、計画と言うと、スケジュール表のようなものを考えている。プロジェクトでも、旅行でも、そこでは、ひとつの手違いもなく順調に進むことになっている。そして、それしか考えていない。だが、ものごと、最短でうまく行くことは、まずありえない。それは、言わば、すべての信号機がオール・グリーンライトになって、目的地までノンストップで直行できるような状況だ。

 5つのサイコロを振って、全部、ピン目が出ることを期待するのが、そうとうにバカげていることくらい、だれにでもわかるだろう。なのに、計画、というと、それをやる。そればかりか、ピン目が出なかった、と言って、当たり散らす。さらには、かってにごまかして、ピン目が出たことにしてしまおうとする。

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