プライムタイム(19時〜23時)で上半期はトップだったとはしゃぐテレ朝だが、悪いことに、10月半ばに申告漏れが発覚した。
 '11年3月期までの2年間で計約3800万円の所得隠しがバレたのだ。
 「それだけではありませんよ。経理ミスを含めた申告漏れの総額は約2億7300万円。重加算税を含め約9300万円を追徴課税された。テレ朝によると、取引先に依頼して番組制作費を前倒し計上させた結果だという。でも、これは完全に収入減らし。経理処理について仮装・隠蔽を伴う悪質な所得隠しに当たると認定されたが、当然のことです」(業界事情通)

 今回の脱税的行為について、“親戚”の朝日新聞社は『申告漏れ』と報道する程度。他のテレビ局も解説すらせず、ヘッドライン的に報道しただけだった。NHKにいたっては、発覚した日の夜『7時の定時ニュース』では無視している。
 「テレ朝といえば、'06年にも『所得隠し』が発覚している。バラエティーのプロデューサーが飲み歩き、それを特定の下請け制作プロへ払わせる手口。具体的には、事前に特定の制作プロに余分に制作費を払い、飲み代をプールしておくやり方だったが、それが局にとっては接待費に当たるという国税の指摘でした。当時はそのプロデューサーもクビになり、ちょっとしたスキャンダルになりました」(スポーツ紙文化部記者)

 テレ朝は'10年10月に『国税局 ナサケの女』を米倉涼子主演で放送したが、放送時期に所得隠しをしていたのだからシャレにならない。
 作家・高杉良氏は今年2月から、テレ朝の内部闘争劇をモデルにした『第四の権力』の連載を開始し、話題になっているが、3億円もの所得隠しを見て見ぬふりをするテレビ業界はおかしいというしかないだろう。それだけ、金銭感覚が麻痺している証拠である。今回の金がどこへ流れたのか、もっと厳しく追及すべきである。
 そうでない限り、古舘伊知郎『報道ステーション』も信用性を失うばかりだ。