根本的に間違っている就活と就職支援/川口 雅裕
情報入手が容易になり、選択肢が増えた時代の正しい就職活動とは。

いくつかの選択肢に対して、勘に頼っていい加減に選んだ結果と、吟味を重ねて選んだ結果は、どちらが正しくなるだろうか。選ぶのに必要な情報がモレなく揃っており、それを処理・判断する能力があり、得た情報がその後も変わったりしないときには、いい加減に選ぶよりも、吟味を重ねた方が正しい選択となる。

しかし、情報にモレがあったり、それを処理・判断する能力に欠けていたり、その情報が後で変わるようなことがあったりするなら、いくら吟味しても正しく選択することはできない。解くために必要な知識を持たない問題が出たら、考えて選択しても、鉛筆を転がしても結果は似たようなものになるのと同じである。

悪いことに、吟味にかけた時間や労力が大きければ大きいほど、選択を間違ったことに対する後悔が大きくなる。鉛筆を転がして決めた場合よりも、真面目に考えて決めた場合のほうが、「正解できたかもしれないのに・・・」と考えてしまう。鉛筆を転がして決めたのなら、間違っても仕方ないと割り切るしかない。

選択肢を増やすと、余計にこの傾向が強まる。選択肢が増えれば増えるほど必要な情報も増えていき、処理・判断する能力が求められるので、正解する可能性は低くなる。選択肢が少なければ正解できたのに、目移りしたり、迷っている間に時間がなくなったりして、間違うようなことも起こる。後で選択を悔やむ可能性も高まる。だから、選択肢が多い状況も潤沢に情報があることも、幸せとは言えない。

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