お客さまとの信頼関係は、楽に手っ取り早く形成することはできません。

たとえすぐに結果が出なくても、地道に手間をかけ、お客さまとの丁寧なコミュニケーションを継続することで、揺るがぬ信頼関係とそれを土台とする安定収益が得られるのです。

これがCRMの本質でもあります。


私はいつも新しいお店に行ってみたいほうなので、最近の10年で、ずっと通っている飲食店は広尾にある1軒(以下「広尾店」)だけです。

広尾店は、高級店ではありません。そこそこ手頃な値段でおいしい料理が楽しめます。店内の雰囲気、また接客サービスも心地よく、接待にも利用しています。

ただ、そうしたことだけで、私は広尾店のリピーターになっているわけではないんですね。

結局、毎年、年に2−3回届く

「ハガキDM」

の効果なんだろうと思います。

手書きで書かれた宛名。

そして、裏面には、素朴な印象を与える印刷でその時々の季節の新メニューの案内が紹介されており、また行きたいという気持ちを高めてくれます。

広尾店は、看板も目立たなくしてあり、しかも「何屋」かわからないので、一見さんが入ることはまずありません。したがって、新規客は、既存客に連れてこられた友人知人、あるいは紹介を通じて獲得。

そして、ハガキDMが、リピート客育成の最大の武器となっています。

おそらくDMは毎回数千通出していて、宛名書きが大変だと思います。しかし、そのおかげで宣伝することもなく、固定客に支えられて安定した売上を確保しているようです。


さて、大阪府泉佐野市の老舗和食店

「割烹 松屋」

では、やはり「ハガキDM」を地道に出し続けることで、バブル経済崩壊後の落ち込みから回復し、安定した業績を維持しています。

同店では、保有している顧客6,000人分の情報を

・1年以内の来店客
・2年以内の来店客
・その他

の3つのカテゴリーに分類。

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