経費削減と言えば、交際費や広告費がその対象となるのはよく知られているが、さて研修費は実際にどうようになっているのだろうか。

研修会社をやっていて、非常によく聞かれる質問の一つに「これだけ景気が悪いと、研修をする企業も減っているんですか?」というものがある。収益が上がらない中で、企業が経費削減に走ると、研修費もその対象になりますよね、という趣旨の質問だ。経費削減と言えば、交際費や広告費がその対象となるのはよく知られているが、さて研修費は実際にどうようになっているのだろうか。

産労総合研究所が、毎年発表している「教育研修費用の実態調査」によると、企業が従業員一人当たりにかける教育研修費用は、2008年から2010年まで、43,524円→34,633円→40,354円と推移している。

景気が良かったときはどうだったかというと、同じ調査で最も研修費が多かった1991年(バブルの最終年)が43,217円。増減はあるものの、1987年に初めて3万円を超えてからは、2010年まで3万円台の半ば〜4万円台の前半で推移している。

意外に思う方も多いかもしれないが、研修費は景気によってそう大きく増減しない、経費削減の対象には入りにくい費用と言えそうだ。私もリーマンショックの際は、さすがに研修の仕事が相当落ち込むのでは・・・と内心ヒヤヒヤしていたが、そうでもなかったのが現実。

ほとんどの研修は、今期の業績のためにやるのではなく、人材育成や組織の活性化といった先々の成長のために実施するもので、“削減可能な費用”というよりは“欠いてはいけない投資”という見方が多いのかもしれない。


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