試合のデータはこの辺で。

 http://www.tbs.co.jp/supers/game/20120331_12073.html
 http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00135160.html

>3月31日(土) J1 第 4 節 1 日目  ≪F東京 vs 広島≫  14:00キックオフ
>後半11分 [得点] 佐藤 寿人

 Twitterにも適当に書いたんですが、森保一監督のサッカーはミシャ・ペトロビッチ(現浦和監督)の進化系になりつつある気がします。なぜそう思うかについてもいろいろ書いたのですが、長くなりすぎたので別エントリーに起こします。

 FC東京戦を振り返ると、完勝と言って良い内容でした。シュート数はFC東京7本、広島5本。完全に「押さえ込んだ」試合であり、攻撃サッカーを標榜するランコ・ポポビッチFC東京監督(この人も元広島です)が試合後に皮肉るのもわからないではありません。

 確かにポポビッチ監督が言うように、広島は5バックに4枚のMFを敷いて徹底的にスペースを消し、1トップのルーカスへのボール供給を完全に遮断しました。カタにはめたわけですが、もちろんそれ「だけ」ではありません。こうした形でのドン引きは、ミシャ時代にも何度もありました。ホームとアウエーでかなり色合いを変える広島サッカーの延長線上で、「守備的に見えた」のは広島サポには取り立てて驚くべきことではありません。

 驚くべきはやはりディテールにあって、それはDFラインの位置どりと動き直し、失った瞬間のボールホルダーへのアプローチの早さ、全体的な帰陣の早さ、つまり「意識」です。

 とにかく、攻撃から守備への切り替えがものすごく早く、かつ意思を持つようになった。ファーストディフェンスが外された後も、アプローチに行く間に千葉和彦がDFラインをまとめ上げ、ラインを形成し、ゾーンをコンパクトに保ち、かなり高い位置まで押し上げている。

 だからこそ、ファーストディフェンスが外され、相手に前を向いてボールを持たれても、二の矢三の矢が継げる。ラインを高い位置まで押し上げることで、前を向いて奪えるケースが増え(そういう状況におびき寄せてもいる)、カウンター時に1トップ2シャドーに対するフォローがやりやすくなりました。

 結果を知った後で録画を見たのでその影響もあるかもしれませんが、FC東京の攻撃を怖いと思ったシーンは正直ありませんでした。実際、森保一監督は試合前にも「FC東京は強いし石川は怖いが、きちんと対処すれば勝てる」という趣旨のコメントを言っており、きちんと対処したことでその通りの結果が生まれたのだと思います。