「チン」して試して、買った後・・・ルクエの場合/金森 努
3月16日付日本経済新聞消費欄コラム「消費の現場」。「お試し調理、好きな具“チン”」というタイトル。スペイン発のレンジでチンする調理器具「ルクエ」を使ってランチの具材を実際に調理して食べるカフェが東京・渋谷にオープンしたというが、その狙いはどこにあるのだろう。
記事によればカフェでの試し方は以下のような手順だ。
「冷凍生パスタが入ったルクエのスチームケースが席に運ばれる。そこにペペロンチーノ、カルボナーラなどのソースをかけ、野菜や肉類など20種以上ある具材から好みのものを選んで入れるだけ。電子レンジで6分待てば、できあがり」だという。
消費者の態度変容モデルはAIDMA(Attention:注意→Interest:興味→Desire:欲求→Memory:記憶→Action:購買)がよく知られているが、「ルクエ」のアンテナショップであるカフェの戦略はAMTULで考えるとよくわかる。
「ルクエ」のA=Awareness(認知)は、進んでいる。家電量販店などの販路でも売っているからだ。非常に簡単という評判も高くネットなどにも使用感を伝えるBlogなども多い。M=Memory(記憶)までは自然と形成される。最大の難所は、消費者が「本当に美味しくできるのかしら?」と思う点だ。やはり試さないと判らないという人も多いだろう。そこで、このアンテナショップが効果を発揮する。T=Trial(試用)をさせるのだ。
記事には「食後に購入する人も少なくない」とある。納得して購入していくのである。試用の山を乗り切れば、購入した「ルクエ」を使って日々料理するというU=Usage(日常使用)が実現し、やがてL=Loyal(優良客化)して他のタイプの調理器も買うという反復購入が実現する。
従来のAMTULによる説明なら以上で終わりだが、記事にはない2つのネットとの接触ポイントが隠されているように思われる。
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記事によればカフェでの試し方は以下のような手順だ。
「冷凍生パスタが入ったルクエのスチームケースが席に運ばれる。そこにペペロンチーノ、カルボナーラなどのソースをかけ、野菜や肉類など20種以上ある具材から好みのものを選んで入れるだけ。電子レンジで6分待てば、できあがり」だという。
「ルクエ」のA=Awareness(認知)は、進んでいる。家電量販店などの販路でも売っているからだ。非常に簡単という評判も高くネットなどにも使用感を伝えるBlogなども多い。M=Memory(記憶)までは自然と形成される。最大の難所は、消費者が「本当に美味しくできるのかしら?」と思う点だ。やはり試さないと判らないという人も多いだろう。そこで、このアンテナショップが効果を発揮する。T=Trial(試用)をさせるのだ。
記事には「食後に購入する人も少なくない」とある。納得して購入していくのである。試用の山を乗り切れば、購入した「ルクエ」を使って日々料理するというU=Usage(日常使用)が実現し、やがてL=Loyal(優良客化)して他のタイプの調理器も買うという反復購入が実現する。
従来のAMTULによる説明なら以上で終わりだが、記事にはない2つのネットとの接触ポイントが隠されているように思われる。
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