次代を担うリーダーが出てこない、という企業の悩み。その理由を、これまでどのようにリーダーを登用してきたかを通して考える。

成果を残した者と残していない者がいれば、前者により高い評価を与えるのは当たり前である。より大きな成果は、組織への貢献も大きいのだから分け前を大きくすべきだし、失敗をしたら、それはマイナスの貢献であるから処遇を下げる。これは、企業にとっても雇用される側にとっても、ほぼ異論のないところだろう。評価される側にとっては公平で納得性があるし、成果を出してきた者が上のポストに就くのだから組織も成長し、企業にとってもよいはずだと考えられる。

しかし、ドラッカーに、このような言葉がある。
「優れた者ほど間違いは多い。それだけ新しいことを試みるからである。間違いをしたことのない者、それも大きな間違いをしたことのない者をリーダーの地位に就かせてはならない。間違いをしたことのない者は凡庸である。そのうえ、いかにして間違いを発見し、いかにしてそれを早く直すかを知らない。」

優れた人物は挑戦し、失敗や間違いを犯す。しかし、その経験はリーダーとなったときに重要な素養となる。一方、失敗や間違いを経験したことがない者は、鈍感で対応力にも欠けるのでリーダーたり得ない。だから、失敗や間違いを犯した経験のある優れた者をリーダーにすべきだ、という主張である。


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