ジャストシステムといえば、日本語ワープロソフト「一太郎」を思い出す人が多いだろう。根強いファンに支えられ、今年、発売30周年を迎える。そのジャストシステムが昨年10月にインターネットリサーチのサービス「ファストアスク」を開始した。その狙いはどこにあるのか。同社を訪問し、担当責任者にインタビューをしてみた。

<サービス概要>ファストアスク→ http://www.fast-ask.com/

 「我々の狙いはズバリ、“ネット調査のしくみのコモデティー化”です」。インタビュー冒頭から核心を責任者は語り出した。
 同社は一太郎をはじめとするパッケージソフトを多数発売している“モノ作り”の会社であるといっていい。その業務の中で様々な必要が生じ、ネットリサーチ各社に調査を依頼してきたという。その結果、「ネットリサーチは意外と便利ではない」という思いが高まっていったということだった。
 ネットリサーチの業務フローは、調査設計→モニターのスクリーニング調査(本調査回答者の抽出)→本調査→集計→分析となる。一連の流れの中で感じた不満は、「確かに調査そのものは短時間で回答が得られるが、その他の部分で調査会社の担当者など“人”が介在する部分が多く、面倒なやりとりと時間がかかってしまう」ということだったという。
 「それならばいっそ、自分たちで“しくみ”を作ってしまい、セルフサービスで行えるようにすればいいのではないかと考えたのです」。
 
 言葉を換えれば、流行りの“クラウドサービス”だ。調査票の設計は画面上でユーザーが自分で行える。モニターの抽出ももちろんできる。回答結果は自動的に集計される。分析レポートの作成は請け負わない。徹底した“しくみ化”を図っているのである。

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