国内外の経済が複雑な様相を見せる中、中国政府は13日に上半期の経済データを発表した。「ハードランディング説」、「スタグフレーション説」、「マクロコントロール過剰説」、「不動産市場膠着説」などがささやかれているが、このような意見に対し、上半期の経済データはどのような解答を示したのだろうか?中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 問い4:不動産市場の調整はいかに継続すべきか?

 上半期、中国の不動産開発投資額は前年同期比32.9%増、分譲住宅販売面積は12.9%増だった。不動産市場調整策が絶えず実施されているにもかかわらず、不動産の投資および販売はなぜこのような伸びをみせているのだろうか?そして、今後の政策の動向は?

 盛来運報道官は、1)国が調整策実施を開始する前に推し進められた開発プロジェクトの価格が比較的高く、プロジェクト後も大量の資金を投入しなければならなかったこと、2)今年以降、低・中所得者向け住宅「保障性住宅(保障房)」の建設が拡大していること、3)建設コスト、人件費などが上昇し続けているにもかかわらず、不動産投資に関して、物価が差し引かれていないこと、この3つの要因が不動産開発投資額を増加させたとの見方を示した。

 「総合的にみると、不動産市場調整策は一定の成果を収めている」と盛来運報道官は強調した。その成果はおもに、上半期における不動産価格高騰の勢いを抑制することに成功し、一部の大都市における不動産価格を下げ、多くの都市で不動産価格の伸びを昨年よりも低下させることができたこと、投機を目的とした不動産需要を抑制し、販売面積の増加率を低下させ、一部の都市における不動産成約数を低く抑えられたことなどに表れているという。

 注意すべきこととしては、すべての固定資産投資の2割を占める不動産業が中国経済全局に与える影響を軽視してはならないということだ。張暁晶主任は、不動産業以外の経済成長の動力を探すことは1つの課題だとの見方を示している。現在、保障性住宅の建設が大々的に進められている。保障性住宅を建設することにより、不動産供給を増加させ、不動産投資の成長を抑えることができる。また、民生問題の解決にもつながると考えられ、着実に建設を推進するべきである。

 温家宝首相は経済情勢座談会において、「不動産市場調整政策を着実に実行に移し、引き続き不合理な住宅需要を抑制、保障性住宅と一般分譲住宅を重点的に建設する。そして、1000万戸の保障性住宅着工計画を実行に移し、金融支援を強化し、制度作りを推進していく」と強調した。(おわり 編集担当:米原裕子)



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