日本製3Dテレビは世界の流れに遅れをとった?【デジ通】
地デジ移行を機にテレビを買い換えようという人のなかには「3Dテレビってどうなの?」と考えている人もいるだろう。そんななか、LG電子が日本市場で3Dテレビ「CINEMA 3D」シリーズをリリースした。これはすでに世界市場ではベストセラーとなっている製品で、日本製の多くの3Dテレビとは異なる特徴がある。今年1月のラスベガスCESのLG電子のカンファレンスで「もしや日本の3Dテレビは世界の流れに遅れをとったか?」と感じさせられたのだが、その理由を説明しよう。
■世界でもっとも売れているLG電子製3Dテレビ
最近の世界市場ではもっとも売れているテレビはサムスン製、第2位がソニー、第3位がLGだが、ソニーは日本の地デジ停波の駆け込み需要で数字を伸ばしている。そのうちLGに抜き返されて、サムスン1位、LG2位となる可能性が高いと思う。さて、テレビ全体ではそのような順位だが、3Dテレビに限ると実はLG電子が世界でもっとも多くの台数を販売しているのだ。
■世界で売れている3Dテレビは?
そんなLG電子だが、CESのカンファレンスで興味深いデータを発表した。LG電子は世界市場でアクティブ形式、パッシブ形式、そして、さまざまなサイズの3Dテレビを販売しているのだが、そのなかで売れている3Dテレビの傾向を見ると、パッシブ形式が圧倒的で、アクティブ形式の数倍の売上を出しているという。そして、そのマーケットの反応を受け、今後、LG電子は3Dテレビはパッシブ形式に注力していくというのだ。
■日本の主流はアクティブだが、世界のユーザーはパッシブ形式を選択
アクティブ形式というのは、テレビ側は左右の目のための映像を交互に切り替えて表示し、メガネはバッテリ駆動で左右の切り替えてユーザーに左右の映像を交互に見せるというもの。これに対してパッシブ形式はテレビに常に左右の目のための映像が表示されており、メガネがそれぞれの目のための情報だけを見るようにするというもの。パッシブはメガネが安いとか視聴していて目が疲れにくい、画面が明るいなどのメリットがある。日本の3Dテレビはアクティブ方式が主流だが、世界のユーザーはパッシブ方式を選択したわけだ。
■国内3Dテレビ市場はLG電子に圧倒されるか?
日本で発売されたLG電子の3Dテレビの名前のなかの「CINEMA 3D」というのは、パッシブ形式を採用した製品のブランド名。CESで宣言したようにパッシブ形式を世界展開しているわけだ。これに対して、日本メーカーの3Dテレビはアクティブ形式のものが主流となっている。アクティブか?パッシブか?のユーザーの選択で、日本国内の3Dテレビ市場がLG電子のCINEMA3Dに制圧される可能性もないとは言えないだろう。
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