リクルート社の半額クーポンサイト「ポンパレ」で返金騒ぎの販売店「それに答える義務はない」
●高い価格で売っていたときの販売数は答えられない
半額クーポンサイト「ポンパレ」で、「通常価格8715円のものを54%オフで3980円」として販売されていたラジオ付き手回しライト「ダイナモマルチライト」。しかし実際ネットでは3500円〜2000円で販売されており、「通常価格が高すぎる」「通常価格を高く書いて商品を安く見せようとしているのではないか」としてネットで話題となっていたようだ。これに関するタレコミも編集部にきており、ガジェ通でも調査してみることにした。
それに対して「ポンパレ」を運営するリクルート社は送料込み8715円という通常価格のチェックを行っているという調査結果を発表した。さらに、「一見したところ同じ商品に見えても、販売条件や詳しい内容の異なるさまざまな商品が市場に流通」していると付け加えた。
「トレンドワン/ダイナモマルチライト」チケットに関してのお知らせ(株式会社リクルート)http://ponpare.jp/doc/info_20110608.html
●売れてなくても販売実績になるの?
しかしここでひとつ疑問が。確かに高い価格での販売ページは存在したが、それでは販売実績とは何をさすのだろうか? 今回は楽天の販売ページだが、例えば楽天で販売ページをつくっておけば、それがいくら市場価格よりも高いものでも「販売実績」となるのだろうか。実際、どれだけ売れたのかをきくため、今回「ポンパレ」で販売をおこなっていた販売店「トレンドワン」にきいてみたところ、
「それに答える義務はない」
との返答だった。
●二重価格とする意図があったのかどうか
もし、売れもしない価格で販売ページをつくっておくだけで「販売実績」となるのであれば、悪意をもってすれば以下のようなことが可能ではないだろうか。
1.適当な通販サイトでページをつくって、倍以上の高い値段で商品を掲載
2.売れても売れなくてもいいから4週間以上掲載する
3.その後2週間以内に半額クーポンサイトを使って半額以下で販売
4.半額クーポンサイトで、何も知らない人が安いと思って購入
消費者庁にきいてみたところ、上記のようなことを意図的にやったのであれば問題だということだ。つまり裏をかえせば「意図的でなければ問題はない」ということ。しかしそれが意図的なのかそうじゃないのか、どのようにして確認するのだろうか。消費者庁によれば「確かにそれを確認するのは難しい」とのことだ。「この価格で売れると思ってました」と言われればそれ以上追求するのは困難なのだ。
消費者庁としても現状手のだしようがないとすれば、ここはやはり自衛するしかない。
半額クーポンサイトでクーポンを購入する際には、表示されている「通常価格」を鵜呑みにせず、自分自身で「どれくらいの価格で他店は販売しているのか」という点を調べてみる必要があるだろう。それにしても、ネットで調べもしないで購入する太っ腹な人が増えているということにびっくりだ。記者の目から見ると、この種の半額クーポンサイトにあるのは「お買い物」ではなくて、数字をめぐるお店とお客との「化かし合い」のようなものだ。「●%OFF!」という言葉だけに反応しているだけで、そこに買い物の楽しみや、あれこれ迷う面白さというものが存在しないような気がする。
Googleショッピング
(ネットで購入する際には商品型番などで検索をかけてみるとさまざまな情報を得られる)