リーマンショックをものともせず、日本でも世界でも販売を好調に推移させいているアウディ。2011年の1〜3月でも全体で前年同期18.4%増、日本でも25.2%増。販売台数は全体で31万2600台と、過去最高をマークしています。


これには昨年末に登場した最上級モデルA8、そして今年1月にデビューした最もコンパクトなA1の登場などが挙げられると思いますが、その強さを考えてみました。


まず、定期的に新型車を登場させていること。


08年にA4をフルモデルチェンジ、A5を発売。


09年に新型SUVであるQ5発売。


10年に新型4ドアクーペ、A5スポーツバックを発売。


そしてA8とA1ですが、このほかにもスポーティなS4、TT-RSなどといったS、RSを加えると、定期的にモデルが投入されていることが解ります。


これによって常にアウディには新しい話題があり、CMなども効率良く打てるというわけですね。


そして販売店の方に伺いますと「新型車が登場するとアウディに興味を持っていただけます。またアウディを購入対象にしていない方も来店してくださいます。ここまではどこのブランドでも同じだと思います。ですが新車効果という言葉がありまして、新車登場からある一定の期間を過ぎますと新車を見に来る方が少なくなります。ですが定期的に新型がでるため、常に来店していただけるという循環になりますね。加えて発売直後は購入される方が多いため我々は忙しいのですが、立て続けに新車が出ましても手が回らなくなる可能性があります。商談が集中する週末にお客様を待たせるようなことは避けたいですし、アフターフォローがおろそかになってもいけません。新車の登場はうれしいいのですが、ある程度期間をおきながら、というのが一番ありがたいのです」。


つまり商品力やサービスといったことも重要ですが、タイミングも大切ということです。


そしてラインナップの充実も大きな要因のようです。


「Q5やA5スポーツバックという、従来のアウディにはなかったモデルの登場も非常に大きいと思います。従来アウディに興味がなかった方も、一度見てみようか? とご来店いただけます。そしてご購入いただけなかった場合でも、今度こんな新型車が出ますとご案内できるのは大きく、アウディを認知し続けていただけるという効果を生んでいます」。


つまりアウディの躍進は商品力やブランドイメージ向上だけでなく、販売の現場も考慮した、綿密な戦略があってのことだというわけですね。



発売以来、大人気のA1。豊富な仕様が選べるため、待ってでもお気
に入りの1台が欲しいという方も多いそうです。現在は3〜4ヶ月待ち。



アウディのフラッグシップであるA8。上質な仕上がりはもちろん
クワトロの設定もあるため雪地帯での人気も非常に高い。



(佐藤みきお)




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