■岸野監督最大の魅力を取り戻し、本気のチーム作りを

試合後、岸野監督は憤慨した。「俺が残念だったのは勝とうとする気持ちを選手たちが出さなかったこと。選手たちは本気になっていない。決してさぼろうという気持ちはないんだろうけど、繰り返す力がないし、局面を変えるパワーもない。本当に厳しいときに解決できるのがいい選手。そういう選手がほとんどいなかった」。今にも頭から湯気が出そうな勢いで岸野監督はまくし立てた。

チーム状況の厳しさが露呈されたゲームであった。一方、リーグ再開3週間前に“いつもの”岸野監督が戻ってきたことは横浜FCにとってよかったのかもしれない。やはり、指揮官が常に先頭に立って熱く激しく選手たちを鼓舞しないといけない。それこそが岸野流。選手たちに伝播するほど闘志をむき出しにして陣頭指揮を執る岸野監督らしさが戻ってきつつある。

岸野監督の最大の魅力は何か。それは「黒を白に変えてしまうパワーがある」と中村敦コーチが語るように、窮地に追い込まれたときに想像を絶するパワーを発揮することだ。鳥栖時代、そして昨季もその力を見せてきた。川崎戦を経て、“本気”を取り戻した岸野監督。リーグ再開までの2週間、底力を発揮してチームを劇的に変化させることができるか。今のままでは「J2優勝」どころか「J1昇格」さえも厳しいと言わざるを得ない。

■著者プロフィール
【佐藤拓也】
1977年生まれ。北海道生まれ、横浜育ち。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、フリーランスのライターとして活動を開始。その後、「EL GOLAZO」や「J’sGOAL」、「週刊サッカーダイジェスト」「週刊サッカーマガジン」「スポーツナビ」などサッカー専門媒体に執筆。現在はJ2を中心に様々なカテゴリーを取材して回っている。



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