ソフトバンクの「−÷×+」のマーケティング/金森 努
ソフトバンクが「ボタン1個の携帯」を3月中旬から発売するという。(2月6日付・日本経済新聞)。記事の見出しには「子ども・高齢者の安全対策用 基本料、月490円」ともある。
「ボタン1個」の形状と機能は携帯電話専門サイト「ケータイwatch」の記事に詳しい。
<防犯ブザー付きのシンプル操作、「みまもりケータイ 005Z」>
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20101104_404260.html
日経記事では高齢者向けともなっているが、同商品は社団法人全国子ども会連合会の推奨商品や日本PTA全国協議会の推薦商品にもなっているように、メインは子ども向けだ。となると、「キッズケータイ」で子ども向け携帯電話というカテゴリーを切り開いたdocomoや、防犯ベル機能起動時にセコムの警備員が急行するサービスを売りにしたauの「mamorino(マモリーノ)」とガチンコ勝負ということになる。だが、「ガチンコ」というよりは「肩すかし」ともいうべき「引き算」の勝負であることが機能面からわかる。
まず、「ボタン1個」とは、押下によって保護者に電話がかかり、同時にGPSの位置情報をメールで通知するためのものだ。そして、発信先は特定の1番号に限定される。つまり、「ママとのホットライン」である。防犯ベル機能のストラップを引いた場合も、大音量の警報と共に位置情報が通知される。また、保護者から電話をかけた場合は子どもがボタンを押さなくとも自動受信し、周囲の音を拾って確認することができるという。機能は以上。極めてシンプルで、他キャリアにある電話やメールの機能や警備員の急行サービスなどは何もない。大胆なまでの「引き算」を行なった商品であるといえる。
その「引き算」の「解」はどこから導き出されたのか。子どもの安全のために携帯を持たせたいと考える親は多い。しかし、躊躇して持たせていない親も多い。ソフトバンクはその「購買棄却理由」を分解、つまり「割り算」したのだ。
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「ボタン1個」の形状と機能は携帯電話専門サイト「ケータイwatch」の記事に詳しい。
<防犯ブザー付きのシンプル操作、「みまもりケータイ 005Z」>
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20101104_404260.html
まず、「ボタン1個」とは、押下によって保護者に電話がかかり、同時にGPSの位置情報をメールで通知するためのものだ。そして、発信先は特定の1番号に限定される。つまり、「ママとのホットライン」である。防犯ベル機能のストラップを引いた場合も、大音量の警報と共に位置情報が通知される。また、保護者から電話をかけた場合は子どもがボタンを押さなくとも自動受信し、周囲の音を拾って確認することができるという。機能は以上。極めてシンプルで、他キャリアにある電話やメールの機能や警備員の急行サービスなどは何もない。大胆なまでの「引き算」を行なった商品であるといえる。
その「引き算」の「解」はどこから導き出されたのか。子どもの安全のために携帯を持たせたいと考える親は多い。しかし、躊躇して持たせていない親も多い。ソフトバンクはその「購買棄却理由」を分解、つまり「割り算」したのだ。
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