新入社員に自立と自立が大切だと説く前に、組織において今、誰が最も自立すべきか、自律が求められているかを考えなければならない。

新入社員に求めたいこと、期待することを、彼らを受け入れる経営者や人事部門に尋ねると、一番多い回答は恐らく「自立」とか「自律」とかになるのだろうと思います。


誰かの支えや保護がある前提ではなく、自分の力で人生や生活や仕事に取り組み、成り立たせていくこと、また、人に言われるまでもなく自分で考えて、自ら判断して主体的に行動してほしいといった期待です。確かに、ここのところは学生時代と違うと言えばそうでしょうから、そう期待をするのも分りますが、自立していない、自律性がないのは新人だけだろうかと考えます。


経営陣として自立・自律が不十分な役員、部門を預かる立場として自立・自律が足りない部門長や管理職というのもよくある話で、その辺りを自覚してもらうことをテーマとした研修を行なうことが、だからよくあります。研修のセオリーとして、昇格したてのころ、新任と言える間にしっかり教育する、という方法が広がっているのもそれ相応の自立・自律を促すことがまずは大切だと考えられるからです。

先輩になったら、管理職になったら、幹部になったら、経営陣になったらその立場に相応しいレベルの言動が求められるわけで、新入社員もそれらのステップの中の一つに過ぎません。


立場や環境や期待が変化したときには、誰だって新しいレベルの自立度、自律性が求められます。しかしながら、それに気づかず、何も変わらないままに偉くなってしまったという人がたくさんいて、最近の新入社員のことを「自立してない」「自律性がない」という声をやたらと聞くわけですが、若者のことを言っている場合か?と自問すべきでしょう。


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