“均一居酒屋”のデフレ戦争は2010年も続く!生き残る価格帯は?

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料理もアルコール類も、すべて均一価格で販売する“均一居酒屋”が急増中だ。大手居酒屋チェーンも参入し、全品300円台以下の低価格業態で各社が激戦を繰り広げている。2010年、低価格化はどこまで加速するのだろうか?

【均一価格で食べられる各店自慢の一品はコチラ!】「金の蔵Jr.」で女性に人気の「オムきゃべ」

■「海賊船 新宿店」/315円均一/1997年頃均一価格業態で開始

都内では、“均一居酒屋”一番乗りともいわれている居酒屋チェーン。都内で6店舗展開するうち、同店では315円均一を実施。「エビマヨピザ」や「シーザーサラダ」など、一品一品のボリューム感が売りで、多数の仕入れ先を開拓したことで、安さをかなえているそう。「都内では“270円均一”などが増えてきていますが、うちは315円。それらの店に比べると30円以上の差がありますが、量の多さでは負けません」と、新宿店の店長。価格を下げる話も出たそうだが、当面は315円であえて勝負するとか。

■「うまいもん酒場 えこひいき」コロワイド/299円均一(一部店舗は399円)/2005年に1号店をオープン

2009年10月で36店舗までチェーン店を増加させた、大手居酒屋チェーン。もともと関西に存在した“均一居酒屋”を、約5年前から出店。同業他社の中でも早い段階に均一価格の業態を展開している。同店は、「キムチチゲ鍋」など、具材を多く入れた鍋料理が豊富で、材料の大量仕入れにより低価格での提供を可能に。職人の安定した技術で刺し身などの魚料理を多数出していることが、売りとなっている。また、新規客の獲得やリピーターの確保など、客数を上げることで利益を出しているそうで、「他社は繁華街などを中心に出店しているが、えこひいきは都市部から少し離れた立地にも多く出店しています。“地元飲み”のお客様にも親しんでいただきたいです」と、広報担当者は他社との差別化を語る。

■「金の蔵Jr.」ほか・三光マーケティングフーズ/270円均一を中心に299円・300円均一など多様な価格帯で展開/2009年に1号店をオープン

大手居酒屋チェーン「三光マーケティングフーズ」は、「金の蔵Jr.」を中心に、「月の雫」「東方見聞録」においても“均一居酒屋”ブランドを展開。それらブランド合わせて、2009年度には都内中心に50店舗をオープン予定だったが、2009年12月で予定数を大きく超える80店舗近くまで拡充、圧倒的な急成長ぶりを見せている。

メニューの価格を“低価格均一”にした理由については「商品を選びやすく、かつ、注文しやすくするためで、価格の高低でお客さまが迷わないように、という思いがあります」と広報担当者。「一括大量仕入れや仕入れ先の見直しなどにより、仕入れコストを抑えるほか、あらゆる経費削減など“日々の努力”で、低価格をかなえています」とか。「自慢の串焼き(2本セット)」や、女性に人気の「オムきゃべ」がイチ押し商品だそうだ。

■「190円均一酒場 はいから家 三軒茶屋店」/190円均一(生ビールやホッピーを除く)/2009年9月から均一価格業態に転換

チェーン店ではなく、個店としての出店。直接地域から原料を直接地域から仕入れ、コストを下げることで“190円均一”を可能にした。「利益よりも“お客さまの喜ぶ顔”」を念頭に、「この不況なので、“低単価”をアピールして生き残りを図っています。190円でどこまでいけるか、限界への挑戦です」と、店長は話す。人気は「キャベツ焼き」などの鉄板焼きメニューや「ジャンボ焼き鳥」だそうだ。

300円台から100円台まで、低価格化が進む“均一居酒屋”各社。均一価格業態の発展と衰退の明暗を分ける、“成功する価格のボーダーライン”とは一体どこなのか? それぞれが特色を打ち出し攻勢をかける、この“居酒屋・低価格化戦争”から今後も目が離せない。【東京ウォーカー】

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