インタビュー:moumoon「色褪せない音楽を作りたい」
――今回の「Tiny Star」は、一人一人の人間の日常のことでもあり、地球規模で捉えると地球環境の話でもあると感じましたが、今の話だと最初にテーマがあって曲を作られたんですか?
YUKA:そうですね。「Tiny Star」は特別に、バンダイナムコさんのゲーム(ニンテンドーDS用ソフト「99のなみだ」)のお話を頂いて書き下ろしたものなので。まず最初にゲームの内容や、ゲームを通して何を伝えたいのか?という話を伺って、じゃあどういう曲を作って、うちらには何が出来るんだろう?という所から始まって。何となくスペイシーな感じとかもあって、二人の中で「Tiny Star」というキーワードはもう決まっていたんですよ。柾:このゲームの開発をしている中心人物が結構若い女性の方なんですけど、たまたまmoumoonの「Flowers」を聴いたらしいんですね。その人が「是非、この人達に頼みたい」と探してくれたみたいで、わざわざライブに来て直接言ってくれたんですよ。だから、そのゲームが出る大分前の段階で、「こういうものを作ろうとしている」という所にハマるものを1から考えられて、今までやったことが無い感じの曲の作り方だったんですけど、普通のタイアップより一緒に考えられたんですね。
YUKA:お題があって、というのは初チャレンジ。でも特に「このワードを使って下さい」という強制があったわけでもなくて、「どんな人がゲームをやるんだろう?」という所から自然と膨らませていって。
柾:もちろん、ゲームと関係無く聴いても、伝わるものだと思うし。
YUKA:インディーズの時は割と恋愛の歌詞が多かったんですけど、もうちょっと大きな普遍的なテーマを書いてみたいなと思っていたので。
柾:今まで、それを歌にしてカッコ良くやるのはなかなか難しいな、というのは感じていて。
YUKA:出来なかったことが、やっとちょっと出来るようになった。
――「moumoon」という名前もそうですが、月や星など宇宙の話は二人とも共通して好きなんですか?
YUKA:いやぁ、私は大好きなんですけど、そういう話をすると宇宙人が好きとか、そういうのを信じていると思われちゃうので。そういうのじゃないんだよ!柾:毎月、「月刊ムー」を買っているんでしょ?
YUKA:買ってないよ!「何この本!超面白い」って、興味はありますけどね(笑)。でも、そういうものじゃなくて。私は小さい頃から悩みが尽きない子だったんですけど、父がすごく天文学が好きで、「どんなに悩みごとがあっても、宇宙の大きさと地球のちっぽけさを考えていたら、そんな悩みなんて本当にちっぽけなものだよ、だからいいじゃん!」とよく言っていて。一人暮らしをする時に父が「持ってけよ」と言った本があって、その本が大好きで。小さい頃から、「子供に分かりやすい宇宙の本」とかもいっぱい持っていて、最近それを読み漁って「宇宙はいいぞぉー!」と思って。父にそうやって言われてきていたから、自分がこうソファーの上にいるというよりは、地球の上に立っていて、その周りに無限大の宇宙があって、という上から自分を見下ろしている感じの視点で自然といつもいるので。「地球も星の一つだから、ちっぽけなもんだぜ!」という感覚を曲にしたくて。
――決して、宇宙人がとか、スピリチュアルな感じではなく。
YUKA:そういうわけではなくて!昔、連れ去られたわけでもないですし(笑)。