トムコの新加入が、野茂のメジャー昇格に大きく影響―。カンサスシティの地元紙「KCスター」紙の電子版は22日付けで、新たにロイヤルズとの契約に合意したバレット・トムコの起用法が、マイナー契約を結んでキャンプに参加する野茂英雄投手のメジャー昇格に大きな影響を与えることになりそうだと報じた。
 問題は、トムコを先発で起用するか、ブルペンで起用するかによって生じるチーム編成。記事によるとロイヤルズのムーアGMは、「ベテランを先発に、速球派をブルペンに起用する方針」が持論。200イニング以上を過去に3シーズン投げ、190イニング以上を2シーズン投げた実績を持つトムコは、昨年、フォーム改良に務めた結果、速球も90マイル台に戻り、かつての速球派ぶりを取り戻しつつある。つまり、先発でもブルペンでも使える存在で、本人も「チームの意向に添う」と同紙に語っている。
 ヒルマン監督は「トムコにローテーションの一角を獲得してもらいたい」とハッパをかけているが、まさに、トムコ次第で、その後に続く先発候補争いが混沌となってくる模様だ。同記事は、現時点でロイヤルズは、メッシュ、バニスター、グレインクの3本柱を先発に要しており、もし、トムコが第4の先発の地位を獲得することになれば、その後に続く、野茂を含めた多くの先発候補に影響が出ると指摘している。3本柱に続く先発争いに名前を挙げているのは、なんと7人。ローレンスと野茂はマイナーからの契約でメジャー昇格を狙い、ハドソンは肩の手術明け、ベールはブルペンから先発への転身を図ろうとしており、ハッチバーはドラフト1位の期待に応えようとしているし、デービスとデラルーサは安定感が必須と、それぞれの立場で先発枠争いに虎視眈々。残り少ない先発枠に、7人もの候補者が殺到する形だ。注目のトムコと、その動向次第で、再起を賭けるベテラン・野茂の立場が大きな煽りを受けることになりそうだ。