ホリエモン「税金が高すぎるのなら取り返せばいい」誰でもできるのに2割しかやっていない"最強の節税"
※本稿は、堀江貴文『やってはいけない 絶対損する金の使い方』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

■取られた税金は「ふるさと納税」で取り返せ
手取りが増えない。税金が高すぎる。SNSでも飲みの席でも、この手の愚痴が尽きない。増税のニュースが出るたびに文句は湧くが、騒いだところで税金は1円も減らない。
では聞くが、あなたはふるさと納税をやっているだろうか。iDeCoに加入しているだろうか。国がせっかく用意した節税手段を無視して、税金の文句だけは一人前に言う。取られっぱなしでいることが、いちばんの損なのだ。まずはふるさと納税。これだけは絶対にやっておけ。
会社員の給料は、税金と社会保険料を天引きされてから手元に入ってくる。個人事業主のように自分で納税額を計算し、振り込む機会が少ないぶん、「いくら取られているのか」を意識しにくい。結果として、税制にも疎くなりやすい。おまけに現役世代は投票率も低い。
国からすれば、文句を言わない都合のいい財布である。取りやすいところから取られるのは当たり前だ。でも、取られるばかりの立場に甘んじてはいけない。合法的に取り返す仕組みがあるのだ。使わない手はないだろう。
■どうせ払わなければいけない税金なら米や肉を貰えばいい
ふるさと納税の仕組みはこうだ。応援したい自治体に寄付をすると、寄付額から2000円を引いた全額が、住民税と所得税から控除される。そのうえで寄付先の自治体から返礼品が届く。自治体が返礼品にかけられる費用は寄付額の3割以下と決められているから、10万円寄付すれば3万円相当の品が手に入る目安だ。
その10万円は、どのみち税金として払わなければならない10万円である。通常の税金として納めて終わりにするか、実質2000円の負担で3万円分の米や肉に換えるか。どちらが得かは、比べるまでもない。
■年収500万円なら約6万円が控除される
「ふるさと」といっても、自分の出身地である必要はない。全国どこの自治体でもかまわないし、複数の自治体に分けて寄付してもいい。返礼品は米や肉や魚やフルーツといった食品のみならず、家電やパソコンや宿泊券にいたるまで選り取り見取りだ。
ふるさと納税の手続きは簡単だ。「さとふる」や「ふるさとチョイス」といった仲介サイトで返礼品を選んでポチるだけ。寄付先が5自治体以内なら「ワンストップ特例」を使えば確定申告もいらない。ワンストップ特例の申請もオンラインで完結する自治体が増えた。

ふるさと納税の控除額には年収や家族構成に応じた上限があり、仲介サイトのシミュレーターですぐ確認できる。たとえば年収500万円の独身なら6万円ほどだ。
■ポイントが廃止されてもおトクには変わらない
ここまで読めば、やらない理由はほとんどないことがわかるだろう。ただ2025年10月から、仲介サイトが寄付額に応じて利用者に独自のポイントを付けることが禁止されてしまった。
キャンペーン時には寄付額の1割を超える還元もあったから、「ふるさと納税はもうお得じゃない」という声もある。でもその見方は的外れだ。
ポイントは仲介サイト同士の客の奪い合いから生まれたおまけにすぎない。実質2000円の自己負担だけで、寄付額の3割相当の返礼品を受け取れるという仕組み自体はなにも変わっていないのだ。
2025年のふるさと納税利用者は約1151万人と過去最高を更新したが、それでも納税者全体の2割に届かない。8割以上の人がもらえるはずの返礼品を毎年みすみす逃している。
税金が高いと文句を言うのは勝手だ。でも国が用意した節税手段すら使わずに「手取りが増えない」と嘆くのは筋が通らない。取られるだけで終わるな。使える制度は使い倒せ。
■NISAよりiDeCoのほうが確実に税金を減らせる
2024年に新NISA(少額投資非課税制度)が導入されてから投資をはじめる人が急増した。NISA口座数は2025年末時点で約2800万。成人の4人に1人が口座を持っている計算だ。職場や友人との飲み会でNISAの話題が出るのも普通の光景になった。
一方、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者は、ようやく400万人を超えたところだ(2026年6月現在)。わずか7分の1。NISAには飛びついたのに、iDeCoは「なんだか手続きが面倒くさそう」「60歳まで引き出せないんでしょ」で止まっている人が大半のようだ。でも毎年の税金を確実に減らせるのは、iDeCoのほうである。この放置は損でしかない。
そもそも会社員にできる節税対策はほとんどない。個人事業主のように経費は使えないし、各種控除も会社が年末調整で勝手に処理してくれる。会社員には自分の工夫で税金を減らす余地がほとんど残されていない。
しかし数少ない例外がiDeCoである。iDeCoの掛金は全額、「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、所得控除される。会社員がみずからの判断で利用できる控除としては最大級だろう。この節税手段を使わないのはもったいない。

■iDeCoは3段階で税制優遇が受けられる
iDeCoの仕組みはシンプルだ。加入者はその掛金を自分で選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に老後資金として一括または分割で受け取る。つまり「自分でつくる年金」である。
そして繰り返すが、iDeCoの掛金はその全額が所得控除の対象だ。たとえば毎月2万円を積み立てれば、年間の掛金は24万円。その24万円がまるごと所得控除される。所得税と住民税を合わせた税率が20%の人なら、年4万8000円ほど税金が減るわけだ(税率が高い人ほど節税効果は大きくなる)。
さらにNISAと同様、運用中に得た利益に税金がかからない。通常、金融商品の運用益には20.315%の税金が発生するが、iDeCoではそれが無税となる。
くわえて、一括で受け取る場合は退職所得控除、分割で受け取る場合は公的年金等控除が適用される。
掛金を出すとき、運用しているとき、受け取るとき。iDeCoではその三段階で税制優遇がほどこされる。そんなおいしい資産運用の制度はほかにないだろう。
■iDeCoを優先し、余裕があればNISAもする
NISAはあくまで運用で得た利益が非課税になる制度だ。その投資額は所得控除にならない。つまり利益が出ないと税制優遇の恩恵はゼロである。

でもiDeCoは違う。掛金が所得控除になる。掛金を出した時点で税金(所得税と住民税)が減るのだ。掛金の運用先はインデックスファンドでもいいし、値下がりのリスクを取りたくなければ元本確保型の定期預金でもいい。仮に運用で1円も増えなくても、掛金にともなう節税分は毎年確実に手元に残るわけだ。
所得税と住民税あわせて税率20%の人が毎月2万円を20年間積み立てた場合、その掛金にともなう節税総額は96万円。そしてそこに運用益が加わるのである。
だからまずiDeCoを優先的に利用し、第二の手段としていつでも現金化できるNISAも併用する。それが資産形成として合理的なスタンスだろう。
iDeCoの手続きは面倒くさい--。そんなイメージはもう古い。以前は加入に際して勤務先に事業主証明書を書いてもらう必要があったが、2024年12月にその手続きは原則廃止となった。いまはネット証券で申し込めば、勤務先を経由せずに完結する。
■「引き出せない」はそんなに大きなデメリットではない
60歳まで引き出せないのが困る--。それでもそんな不満を抱く人がいるだろう。しかしiDeCoはあくまで年金制度である。自由に引き出せないからこそ、手厚い税制優遇が用意されているのだ。むしろ、意志が弱くても強制的に老後資金が積み上がる仕組みだと好意的にとらえるべきだ。
iDeCoは毎年の税金を確実に減らせる制度だ。それを利用しないのは単純に損である。掛金は月5000円から設定でき、あとで金額変更も可能だ(企業年金のない会社員の場合、掛金の上限はこれまで月2万3000円だったが、2026年12月から月6万2000円に引き上げられる)。論より証拠だ。まずははじめてみよう。節税効果を実感できるはずだ。
大丈夫。NISAの口座をつくれたなら、iDeCoの口座もすぐつくれる。
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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年10月29日、福岡県生まれ。実業家。SNSグループ株式会社ファウンダー。現在はロケット開発や、アプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙する等、様々な分野で活動する。会員制オンラインサロン『堀江貴文イノベーション大学校(HIU)』(http://salon.horiemon.com)では、500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開している。著書に『小学ゼロ年生 7歳からの進路相談』(小学館集英社プロダクション)『体力が9割 結局、動いた者が勝つ』(徳間書店) 『僕が料理をする理由 AI時代を自由に生きる40の視点』(オレンジページ)など多数。その他詳細はhttps://zeroichi.media/
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(実業家 堀江 貴文)
