いよいよ最終節を迎えるリーガ。ここ数シーズンに見られなかった混沌とする優勝争いは最終節まで持ち越され、それもあと数時間後には全てが決まる。

 首位に立ち、あとは自分たちの結果次第という優位に立つレアル・マドリーは、ホームにマジョルカを迎え撃つ。4年ぶり30回目の優勝に王手をかけるレアル・マドリーは、代表戦がらみで懸念されていたロビーニョ、ディアラのマジョルカ戦出場も解決した上、左足首の捻挫でここ数日間、別メニューで調整を続けていたベッカムも全体練習に復帰。カペッロ監督は出場停止処分のエルゲラ、負傷のトーレスを除き、ほとんどの選手を招集。サルガトとロベルト・カルロスを両サイドに置き、センターバックはカンナバーロとセルヒオ・ラモスとディフェンスラインの修正はあるものの、あとはサラゴサ戦と同じ、ほぼベストメンバーでマジョルカ戦に臨むことができそうだ。シベレス広場での優勝祝いに向けてカウントダウンが始まった。

<レアル・マドリーの予想スタメン>

カシージャス、サルガド、カンナバーロ、セルヒオ・ラモス、ロベルト・カルロス、エメルソン、ディアラ、ベッカム、ロビーニョ、ラウル、ファン・ニステルローイ

 前節の引き分けで首位に立つチャンスを逃したバルセロナ。もちろんバルセロナにも逆転優勝の芽はわずがながら残されている。ライカールト監督はアウェイでのナスティック戦に負傷中のシウビーニョ、エジミウソン、グジョンセンを除く19選手を招集。出場停止処分のためエスパニョール戦を欠場したロナウジーニョも招集メンバーに復帰し、ベストメンバーで臨める。REMトリオの爆発に期待したいところだ。優勝はレアル・マドリーの結果次第と苦しい展開となっているバルセロナだが、ナスティックに勝たなければ話にはならない。仮に敗れることにでもなれば、セビージャの結果次第では3位に転落する可能性もある。そのためにもここ数試合で犯してきたミスをこの試合で再び犯すことは許されない。

<バルセロナの予想スタメン>

バルデス、ザンブロッタ、テュラム、プジョール、ジオ、イニエスタ、チャビ、デコ、メッシ、エトー、ロナウジーニョ

 レアル・マドリー、バルセロナに勝ち点2差のセビージャにも逆転優勝のチャンスはある。ホームとはいえ、目下7連勝中と波に乗り、UEFAカップ出場権を狙うビジャレアルが相手。一筋縄ではいかない相手にセビージャの台所事情は厳しい。ヘスス・ナバス、アドリアーノ、レナトは負傷中、ダニエウ・アウベスはブラジル代表合流のためチームを離れているため、招集外となっている上、ハビ・ナバーロ、ドラグティノビッチは出場停止処分とベストメンバーを組むことができない状態だ。だが、安定したチーム力と、ファンの声援を武器に3冠の可能性に挑む。

<セビージャの予想スタメン>

コベーニョ、ヒンケル、アイトール・オシオ、エスクデ、アルファロ、マレスカ、ポールセン、プエルタ、ケルジャコフ、ルイス・ファビアーノ

 2007年6月17日は長きに渡って記憶に残る日となるはずだ。4年ぶり30回目の優勝を狙うレアル・マドリー、3連覇を目指すバルセロナ、今シーズンの2冠目を目指すセビージャ。泣いても笑ってもあと1試合。ここ数シーズンになかったドラマチックなストーリーの結末が明かされる。リーガ全38試合を通して頂点に立つのはレアル・マドリーかバルセロナか、それともセビージャか?

(スペイン通信)